2017年12月26日火曜日

17という年

クリスマスなんてものは何の実感もなく過ぎ去って、もう年の瀬。
ちょっと早いですが、2017年の総括をば。

今年はなんといっても、自分にとって大きな変化がありました。
長かった学生生活が終わって、社会人になって、当然環境はがらっと変わりました。
年度が変わってからクライミングに充てられた時間はこれまでの半分以下。
加えて今年は夏から秋にかけて雨続きで、余計に岩に触れた時間は少なかったです。
これはもう仕方のないことですね。

全体で言えばそんな年でした。
その中で成果をいくつか(順不同)。

RAIZEN(三段?) 豊田
登っているのはちーさん

コオモテ(三段) 瑞牆
霧(三段) 瑞牆

レッドブル(三段) 笠置山

イヴ(5.11c) 瑞浪  FL
アダム(5.11b) 瑞浪  OS

Stingray(5.13d)   Joshua Tree

とにもかくにも、Stingrayを登ることができたことが大きかったです。
むしろ大きすぎたくらいです。
その後身の回りのあらゆるものが激変するのに合わせて、燃え尽きていました。
やっと復活してきたというところでしょうか。
考えてみると、自分の真の限界をプッシュしたのは、
本当に久しぶりのことだったと思います。
ただそれだけでも、自分にとっては十分すぎるくらいです。
そしてそれがこのルートであったことが、何よりもうれしく思います。


仕事のことはさておき、今年を振り返ってそれ以外に浮かんでくるのは、
大ザルが長年の課題を2つも登ったことでしょう。
アンバマイカと弁天岩のプロジェクト(1P目)をそれぞれ登り、
その瞬間に僕も共有することが出来ました。
それは大きな躍進ではなく、長年の研鑽の先にあった、
いわば必然の一歩だったのかもしれません。
ただ、時間を積み上げたものも、端から崩れていくということは、僕にもわかります。
だからこそ、そこに更に積み上げて、これまでよりも高いところへ至ったことが、
どれだけの時間を要し、どれだけ得難いことであるか。
それは想像に難くないことです。
この先何があっても、自分もきっと積み上げていけると、
ただ見ていただけの僕にもそう思わせてくれる、素晴らしいクライミングでした。


こうして振り返ってみると、我慢したし欲求不満もたくさんあったけれど、
価値のある1年だったなと感じます。


さて、冬休みです。
年末年始と言えば、里帰りですが、
今年の里帰りはちょっと違います。
ずっと帰りたかったあの場所へ、里帰りしてきます。

それではまた。
みなさん、どうか良いお年を。

2017年12月25日月曜日

クはクリぼっちのク

世の中ではクリスマス(イヴ)の日に独りでいる人間を「クリぼっち」と呼ぶそうな。
当然のごとくその一人であるので、夜明け前に家を出た。
車のキーを回すと、カーナビが一言、「メリークリスマス」。
お前、「この先、カーブがあります」以外の言葉も喋れるんか。

3時間ちょっとのドライヴで、恵那に到着。久しぶり。
警戒して着こんできたのに、思っていたより寒くなくて、拍子抜け。助かったけど。
一人だし、トポもないので、知っているところに行くことにした。
ということで、電波塔エリア。
アップをどこでするか迷って、ルーフルールの岩へ。
「ノムール」(2/1級)まで登って、「パキピド」(二段)もやったらハマった。
最近また風邪をひいて病み上がりだったのもあって、力が入らん。
徐々に力が出るようになって、ムーヴが固まったところでプルプルしながら登れた。
うーん、鈍りきった体にこの傾斜とこの手数はしんどいぞ。

とにかく体は起きてきたようなので、本題の「レッドブル」(三段)へ。
前に来た時にムーヴの目途は立っていたので、最初から繋げでトライ。
最初から核心のランジまでつながって、こりゃいいぞと思ったのもつかの間、
ランジが止まらない止まらない。
瞬発力もすっかり弱っている模様。
これだけは登って帰りたかったので、途中から初めてランジをバラシて、
繋げてやったら、今度はピンチが取れなくなってきた。
でも身体はトライを重ねるごとに動くようになって、力も入ってきた。
そのうちやっとランジが止まって、次の1手も捨て身で出したら止まった。
という感じで、宿題を回収できた。

その後は「アルデバラン」(三段)をやってみたりしたけど、
尺で得しているはずなのにランジの飛距離が一向に伸びず敗退。
もう一本はなにか登りたかったので、前に全くできなかった「パゴダ」(二段)へ。
初めて恵那に来たときくらいにちょっとやって、カチが痛くて敗退した気がする。
今回も既に指が痛かったので、1回目のトライから全開で握り込んだら核心が止まった。
そのままギリギリで押し切って登れた。
多分、痛みで凄い顔をしていたんだと思う。
記念撮影(上手くいかない)

もう一本と欲張って、「アホダ」(二段)をやったら、
ヒールで腰を入れたときに、膝が耳で聞こえるくらいの音で「ぱきっ」と鳴った。
あまりの音にびっくりしてクライミングは強制終了。こわいこわい。
その後駐車場に戻って、帰りに里エリアを一周見学して回って、
1時間くらいしたら痛みだした。
関節というよりは、その外側のどこかが痛い感じ。
とりあえず歩くことは出来るし、ゆっくりなら曲げることもできる。
なんだか年末年始を前にえらいことになったみたいだけど、
とにかくあと数日は安静にして様子を見るしかないか。
しばらくは右ヒールも封印かも。


夜、小DK宅に集まって、いましさんの新作『OUTLINE』の試写会が催された。
今回は出演だけでなく、これまでとはちょっと違う関わり方をさせていただいてます。
発売は2月ころになるとのこと。
前作『Activator』から2年空いているので、ネタは盛り沢山です。てんこ盛りです。
まずは予告編の公開を待ちましょう。

2017年12月3日日曜日

シーズンのおわり

家の周りにはもう雪が降りました。
これからはこの気候と付き合っていかなければいかんのですね・・・

昨日SACの先輩の結婚式があり、それは二次会まででお暇して、今日は単身瑞牆へ。
天気がいいし、気温もそれほど低くなくて、12月にしては快適だった。
駐車場でハヤシ・猿田彦両氏に会ったので、便乗する形で会場エリアへ。
まあ、目的地は最初から決まってたしね。

とりあえず日当たりがそこそこいい大黒岩周辺でアップ。
保持っぽいもののアップにと、「ともこ」(初段)も登った。
そういえば昔、僕らは勝手にこの課題を「きなこ」と呼んでいた。懐かしい。
あの当時は、ポケットから黄色っぽい謎の粉が出てきた(ホントに)。
それから最近チョーク跡が見られる「フォーマルハウト」(初段)もやってみた。
瑞牆らしい人差し指酷使のスラブフェースだった。
ムーヴが分かるまでしばらくかかったけれど、分かったら登れた。
さらにハヤシさんが見上げていた「コールサック」(三段)も掃除してトライ。
これは明らかにリーチで得をして二撃。跳ばずに登れてしまったのでなんだか・・・
課題としては面白かった。
後ろの木も案外気にならず、もっとトライされればいいと思う。
更に被ったもののアップでもう何本か登って、本題の「ミネルヴァ」へ。

今回も誰もいなかったけど、チョーク跡はしっかりあるので、
誰かしらトライしている人はいるらしい。
で、やってみるとやっぱり前回と同じところで息詰まる。
今回はあちこちにスタンスを求めて、あれもこれもと試してみたけど、
どれも似たような感触で、一様に全部悪い。
この一手が大核心というわけですね。
どうにも足下が浮ついてしまって、結局は高速タッチで落ちてくる。
そこまでのムーヴはほぼ固まって、こなれてきただけに、これは悔しかった。
純粋にムーヴがこなせないというのは、そりゃあよくあることだけど、
手を変え品を変えてまだ足りないのか!という感じ。
来週は来られないので、流石に次は来春になる。
いい目標がひとつ定まったということで、また頑張ろう。

大黒岩に戻って、ちょっと一息ついてから、
ハヤシさんの熱烈な勧めで「天の川」(初段)をやることに。
入念にスタンスを観察して、いざやってみたら完全にビビってしまった。
1回目はちょっと危ない落ち方をして、続く二回は右に下りた。
4回目で足順が分かって、あとは多少強引だったけどねじ伏せて登った。
なんだか今日一番集中して頑張った気がした。
直後に猿田彦氏が夕暮れに合わせたかのように「フォーマルハウト」を登っていった。
フォーマルハウトというのはうお座の恒星のことだそうです

帰りがけに皇帝岩にいるエッジ常連組の応援をして、真っ暗な中を帰った。

花崗岩の季節はこれにて終了かな、と思う。
チョークの載ったホールドを磨きながら顔を近づけてみると、
時折感じる乾燥したクライミングの匂いがした。
炭酸マグネシウムの匂いでなんて、なんだか変な感じだけれど、落ち着く匂いだった。
次の春がもう待ち遠しい。