2015年4月26日日曜日

Tamajón 1

Semana Santa以降、どうも週末のたびに天気が悪い。
平日は気持ちよく晴れるのに、週末は曇ったり雨だったり。
いやなサイクルに入ってしまったなぁ。

今週末はエドゥとまたAlbarracinに行こうと話していたのだけど、
予報がどうにも思わしくないのでそれは取りやめ。
昨日は半日家にいて、16時前に集合してTamajónというエリアに行った。
パブロは来ないようなのでエドゥに聞いてみたら、
「あいつ、今夜はパーティーで会った女の子とデートなんだってさ」とのこと。
案外プレイボーイなパブロ。

TamajónはGuadalajaraにある石灰岩のエリアで、前に行ったCampisabalosに似ている。
課題はCampisabalosほど多くはないのだけど、
1時間ほどで行ける上に悪天にも強いそうなので、これからの季節に良さそう。
駐車場を囲むようにいくつかセクターがあって、近いところはアプローチ数秒。
あちこちにケイヴや屏風上の壁が点在していて、そこを登るという感じ。
6台の課題を登るファニー

おなじくアンヘル

ファニーとアンヘルは兄妹もしくは姉弟なのだけど、どっちが上なのかは未だに分からない。
まあ、その辺は気にしないのでしょう。
二人とも横顔が面白いくらいによく似ている。

最初に行った岩をだいたい登りつくしたので、ちょっと移動してEl Metodo(7c)のケイヴへ。
El Metodoはここのクラシックのひとつらしい。
ケイヴの端の課題を数本登って、一撃を狙ったけど見事に返された。
スタンドの7aに合流するまでのムーヴをバラすのに時間がかかり、
核心を越えて一度ヨレ落ちしたあと、つなげて4回目くらいでゲット。
El Metodo

明らかにアップに失敗していたのでいやに悪く感じた。
課題としては面白かったけど。
やっぱり時間が少なくても体操とストレッチからしっかりやって、
本気で狙う課題の前に7台を少しやるのが一番いいらしい。

スタンドの7aを頑張るヒゲ男アンヘル

この時点でもう8時過ぎ。スタートが遅かったから仕方ないか。
最後に30分だけTolmojon(8a)をやりに行った。
Tolmojon

角が立ってて痛いピンチとポケットから、遠いスローパーにデッドして、
それから甘いホールドで耐えながら壁の真ん中のガバまで登って終了する課題。
1手目のデッドはすぐに止まったけど、そこからが悪かった。
いまいち腹に力が入っていないのか、足が上手く残せず。
なんとなくムーヴのイメージが出来たところで時間切れ。宿題になりました。

アルカラから割と近いので、近いうちにまた来れるでしょう。

帰りの車で、エドゥに「お前は運がいいよ」と言われた。
アルカラにジムが出来たのはちょうど一年前くらいで、
それまでアルカラにはボルダラーはほとんどいなかったらしい。
今でこそいろいろなクライマーがやってきて、
アンドレス家やイバンみたいな人たちと知り合うこともできたけれど、
もしもスペインへの留学が1年前だったら、
そういう面白いコネクションは出来なかっただろう。
マドリッドも地区によってクライマーの好みが違って、
ボルダラーが多いところがあったり、ルート好きな人の多いところがあったりするみたい。
僕が今こうして、1年前は知る由もなかったボルダリングエリアに行って、
スペインという国のあまり知られていない一面を堪能出来ているのは、
ひとえにここに来たタイミングの良さと、そうして出会った人たちのおかげだった。

そのことへの感謝の気持ちはずっと持っているけれど、
言葉にするのはもうちょっと先でもいいだろう。
照れくさいし。

2015年4月19日日曜日

動画とトポ

話が多少前後しますが、Albarracinツアーの動画が出来ました。
Spanish Grains -Albarracin-
https://vimeo.com/124612011

それと、瑞牆のトポがついに発売になるそうです。
情報量がとにかく多いので、なんと上下巻の2冊なんだそうな。
僕もちょっと前にサンプルを送っていただいて読みました。
自分がこれまで拓いたルートは、だいたいどれも何かしらの形で発表してきましたが、
こうして改めて自分以外の人に書いてもらうと、なんだか不思議な気持ちになります。
それと同時に、まだ自分が拓いたルートが数えるくらいしかないことに気づきました。
年に1本出来ればいいくらいのペースでやっているので当然ですが、
この地の開拓の記録を読んでいると、まだまだこれからだな、と思わずにはいられません。

La Pedriza 10

気が付くと、今期の授業も残すところあと1か月。
スペインにいられるのもあと2カ月になっていた。あっという間だ。
少し、焦燥にかられるような、そうでもないような。
ちょっとずつ複雑な気分になってきますな。

今日は記念すべき(?)10回目のLa Pedriza。
エドゥが「時間は明日の朝また連絡するわ、たぶん13時くらい」と連絡をくれたのに、
その時間になっても音沙汰なしなので、こっちから連絡を入れる。
「13:40ね」との返事。やっぱりね。
パブロを拾いに行くと、あんなに長かった髪をばっさり切ってまるで別人。
ちょっと可愛くなっていた。

「どこか行きたいところあるか?」といつものように聞かれたので、
「La Focaに行きたい」と言ってトポを見せたら、
「おー、この課題カッコいいよな」ということで即決。
普通はCanto Cochinoの駐車場から行くようだけど、
El Trancoからも川沿いに歩いて行けるようなので、そっちから行くことに。

El Trancoの駐車場は既に満車だったので、ちょっと下の駐車場から歩く。
「結構遠いかな」と思っていたら、20分くらいで着いた。
川伝いに吹いてくる風が涼しくて気持ちよかったし、案外この道もいいかも。
規模が凄い割に、全体的にコンパクトにまとまっているのがLa Pedrizaの魅力の一つですな。

セクターに着いてすぐのところに看板課題のRobin(7a)があって、
二人が「これスゴイ、これスゴイ」と感心している間に、僕はすぐ上の岩のLemento(8b)を観察。
これもなかなかカッコいいけど、見た目単純な保持系課題。
フラッシュした人もいるようだし、得意な人には易しいのかな。あんまり気にしないけど。
近くに7台しかないので、La Guadaña(7a)の岩まで上がってみる。
凄い形の岩
上がってからトポを確認したら、ここも6台はほぼ皆無。あちゃー。
La Guadañaをやっている人たちがいたので、それに混ぜてもらうことにして、
とりあえず体操とストレッチだけやってアップなしでトライ。
見えないホールドを外して逃してしまったけど、2回目でゲット。
体が動いていないのでぷるぷるしてたけど、まあよし。

エドゥとパブロのトライを観戦していたら、タロひょっこりがやってきた。予想通り。
La Guadañaをデモしたり、周りの新しい課題を教えてれたあとは、
右のスラブからLa Guadañaに入るラインをやっていた。
新ラインを新モデルで登るタロ

二人は左のカンテを取るところまで繋がって、感触が良くなったところでやめ。
空もなんだか暗くなってきたので、さっさとRobinに移動。
La Pedrizaの7aといえばコレ、みたいな超有名課題がこのRobin。
La Pedrizaを扱ったビデオには大抵出ている気がする。
見た目に反してホールドはどれもちょっと悪め。
スタートから1手目とリップへのデッドが遠くて悪そう。
これも1撃を狙って取りついたら、下部の核心は問題なかったものの、
リップへデッドするときの右手が予想に反してスローピーなピンチなのにビビッて降りた。
次のトライで右手の甘さを我慢して思い切ってデッドしてみたら案外近かった。
花崗岩の割にフィジカルなムーヴから始まって、最後の根性が試される1手。
高さがあって岩が硬ければいいラインと思ってしまう僕ですが、これは格別でした。


写真が欲しかったのでリピートした

二人も最後のデッドを出すか出さないかというところまでは行っていたので、
次回はひたすら自分との戦いだろうな。
さて、次の課題を、と思ったところで雨が降ってきて、あえなく終了。
リピートしたのも含めると、今日は5トライしかしていない。
さすがに少なすぎる気がするけど、登った課題はどちらもよかったので結構満足。
天気ばかりはどうにもならないし。
むしろこれしか登っていないのに幸せな気分になれるなんて、
やっぱりここはいいところだ。

二人ともカッコいい宿題が増えてヤル気満々な様子なので、近々また行けるだろう。
次回はLementoかな。


冒頭にも書いたように、スペインでの生活は残り2カ月。
そして、昨日航空券を予約しました。
発つ日が明確に決まってしまうと、カレンダーのその日付が一気に現実味を帯びて迫ってくる。
やれることは出来るだけやっておかないとな。

2015年4月15日水曜日

El Escorial 7

先週末は天気が悪く、降って止んで降って止んでという感じ。
ちょうど授業の課題も溜まっていたので、それを片づけて、
やっと晴れた昨日は単身El Escorialに行ってきた。
狙いはもちろんEl Monstruo de las Regletas。
先月末からサマータイムが始まって9時くらいまで明るいので、
いつもよりゆっくり家を出た。

2時前にエリアに到着。
前回来た時からもう2か月近く。完全に春。
立ち枯れかと思いきや、根本は元気らしい

木々の新芽が綺麗で気持ちがいいけど、日向はかなり暑い。
駅からの1時間の歩きでなんだか変に疲れたのでしばらく登らず散歩して、ゆっくりスタート。
El Monstruoのある辺りは完全に日向なので、
ちょっと奥のFuente de la Reinaというセクターに行ってアップ。
いまいち体が動かない上にヌメるので、見るからに掛りのいいカンテ課題にてこずったりした。
洗面器大の穴がぼこぼこ開いた6台の課題があって、
低いのにニーバーとかトウフックとかいろいろ使ってなかなか面白かった。
Puzzle Stoneとかいう6a+も登った。
これも風化で出来た特大ホールドが続いて面白かった。
ここの花崗岩はいろいろと変化があっていい。

ちょっと移動して、林道下にあった7bくらいのカンテにもトライ。
一撃できるかなーなんて思ってやってみたら、
暑さでカンテがずるずる抜けてきて、どハマり。
ムーヴは作ったけど、ヌメりすぎるのと, シューズがヘタって結晶に立てないのにイライラしてやめ。
涼しいときにやったら面白いんだろうな。

まだ暑いので、El Monstruoに移動する前にちょっと気になっていた岩へ。
右カンテの辺りにあるガバからスタートして、フェースの真ん中に用意されたようなポテト。
その上に薄いポテトがもう一つあって、あとはリップまでほぼホールドなし。
もう一目瞭然な手に足立ちこみ課題。
そういうタイプは割と好きなので、るんるんで取りついたらこれが悪い。
悪いというか、リップがものすごく遠い。
しかもリップはことごとくスローパー。
リップの奥にちょんまげみたいに突き出したポテトがあるのだけど、遠すぎて届くわけない。
フェースにある極小のつぶつぶをつまんでみたりしたけどいまいち決め手に欠くので、
結局は単純な片足スクワットでにじり上がってリップを押さえて登った。
1時間くらいかかりました。
帰ってから調べたら、Cara Culoという7aだった。7aか・・・

そろそろいいかな、ということでEl Monstruoへ移動。
でも、まだ暑かった。石切り場あとだからただでさえ滑るのに、岩が温まってぬるぬる。
まあそのうち涼しくなるだろうということで、
短パン上裸でトライ開始。
とりあえず前回と同じムーヴでやってみたけど、コンディションのせいなのかいやに感触が悪い。
足にも乗れていない感じがする。
ということで、知っているムーヴをまた一通り試してみたら、
なんだかどれも似たり寄ったりな気がしてきた。
結局どれでやっても右足が滑る。
思っている以上にこのハングは傾斜が強いし、
その割に使っているスタンスはほとんどスメアだから、
なにかもうひとひねり必要なんだろう。
いや、単に力が足りてないのかもしれないけど。

そんな風にぐだぐだ考えながらやっていたら涼しくなってきて、
体も少しずつ感覚を思い出してきたのか、スロットに指が入るようにはなった。
結局コントロールしきれていないので、高速タッチが限界。
指が入ったところで足が抜けるか、体が吐き出されてさようなら。
うーん、もうひとひねりがどうにも見つからない。
日没前後の2時間ちょっと試行錯誤してみたけど、今回も糸口は掴めず。

日没前、隣りの岩のNueva Dimencion(6c)に西日が当たって綺麗だったので記念撮影。
おなじみ、セルフタイマーの限界

電車の時間がかなりぎりぎりだったので、駅まで最速タイムで戻った。
四角いなにかを背負って険しい表情で早歩きしていく東洋人。我ながら怪しかったな。
翌日、久しぶりにしっかり歩いたせいかケツが筋肉痛になりましたとさ。

セメスターも残り1か月になって、だんだん授業が忙しくなってきました。
でも、出来るだけ早く、出来るだけ多く登りに行きたい。

2015年4月8日水曜日

Albarracin 3 そのⅣ

4/4(土)
起きて、シュラフを干して、マットも干して、コーヒーを淹れる。
完全にそれが日常と化してきている気がした。
水場が近くにないので、水は村まで行って買うか汲むかしないといけない。
この日もまず水が足りなくなりそうだったので、エドゥとロザンナが村に出掛けて行った。
前日完全にカメラの電池が切れたので、ついでに充電もお願いした。
うっかりシューズその他を車に乗せっぱなしにしてしまったので登りにも行けず、
彼らが戻ってくるまでぼんやりしたり、ストレッチしたり、パンデュロと遊んだりした。
こっちのクライマーは犬を連れている人が多いので、そこら中犬だらけ。

エドゥたちが帰ってきて、エドゥがスロバキアに留学していてときの友人たちもやってきた。
8台を登るつよつよさんたちらしいが、連登した後でお疲れの様子。
Parkingに行くとのことで、その後会えたらArrastraderoで一緒に登ろうかということになった。
彼らにParkingの課題をいくつか紹介して、こちらはメインの駐車場よりのところでアップ。
簡単な課題以外あまり魅力的なものがないので、僕はほとんど登らず温存。

14時過ぎくらいにArrastraderoに移動。
スロバキアチームはまだ来ていないようなので、El Orejas...から少し奥にいった辺りで登る。
Spider Pig(6c)でも登ろうかと思ったけど、その辺は人がいっぱいでやりにくいので、
裏面のCapitán Cavernicola(7a+)を登って、右からトラバースしてくるSepultura(7c+)もやってみる。
ぺろーんとしたリップを使ってトラバースして、7a+のスタートに合流する課題。
スタンスは特大だけど手が悪くてムーヴをつくるのにちょっと苦労した。
1時間くらい一人で黙々とやって、後ろで他の皆がのんびりハムをつまんでいる中、無事登れた。
電池の節約のためにビデオは録らず。まあ、地味な課題だし、いいか。
右のカンテがSipder Pig、左面がSepltura

それと、ここでLa PedrizaのEl Palmeroでセッションした兄ちゃんたちに会った。
声をかけられたときは誰か分からなくて、
「ほらほら、あの課題だよ」と言われてやっと思い出した。ごめんね。

その後アントゥ御一行と合流して、皆さんはEl País de las Bicicletasでセッションを始めた。
僕とパブロはもう登っているので撮影&応援。
そのうちあとからあとから人が来て、岩の下に座敷が出来た。
普段あまり登られない様子のこの課題が、このときだけ人気課題になった。

エドゥと、アントゥ御一行のフェリックスが登って、場が盛り上がっておりました。
ただ見ているだけでも暇なので、ちょっと左を登るMovimiento Bonet(7b)をやってみた。
El País...はムーヴがそんなに悪くないのに対して、こっちはそれなりに悪く感じた。
一撃目は思い切りがつかずに降りて、二回目でゲット。
パブロとフェリックスの二人は頑張っていたけど、核心は越えられなかった様子。

そうしているとスロバキアチームが移動してきたので、しばらく観戦。
指皮はないし、かなりお疲れの様子で、El Varanoはムーヴをバラす程度でやめていた。
一番強いらしいヴィリアムは故障中の指が痛い模様。
でも、「これやりたい」と課題を紹介したら「俺もやる」とついてきた。やったね。

ということで、二人でApeadero(8a)にトライ。
スタンドが7c+ということなので、まずそっちから。
左回り気味にキョンやらフックやら多用しながら登るのが一般的みたいだけど、
直登するシークエンスもあるようなのでそっちでやってみた。
1手目でスタートのピンチから薄いカチを止めるのが悪い。
何度かやったら、その1手が止まって、そこからはイメージしたムーヴがそのままハマって登れた。
突然すぎて驚いたけど、ともあれ感触がすごくいいのでそのままの流れでSDからやる。
繋げると、スタンドの1手目がブレる。
何度か繋げてやってみて、そこが明らかに核心なのでしっかりバラすことに。
ちょっとスタンスを変えて、中継するホールドも変えてみたら流れが良くなった。

バラしたあと繋げて一回目で、ちょっとボール気味だけどスタンドの1手目が止まった。
スタンドに2手追加されるだけだけど、パワフルな後半で一気にヨレがきた。
リップ下のポケットも何とか捕えて、リップ奥のスローパーを押さえて、
落ちそうになる肩を何とか引き上げてマントル。
リップにヒールを上げたところで落ちかけたけど、
下のスタンスに戻ってから上げなおし、あとは気合でマントルを返した。
スローペースだったとはいえさすがに疲れが出たか。危なかった。
ギャラリーが沢山いて、珍しくやんややんやと喝采を浴びた。
これもいい課題でした。
居合わせたフォトグラファーのマリオが綺麗な写真を撮ってくれた。
Thanks to Mario Vergara Lizaso & ALTOP(https://www.facebook.com/pages/ALTOP/142816845902091?fref=ts)

凄くいい課題が登れて満足満足。
帰り道、アントゥ御一行の男の子ヘラルドくんがママに促されて「どこからきたの」と聞いてきた。
「Japón」と応えたら、ハポンという響きそのものが新鮮だったのか、
それともそもそも日本人というのが珍しいのか、
しきりに「ハポネース、ハポネース」と言っていた。
カメラを向けたら逃げ回るので、これだけ取るのが精いっぱいでした。
ヘラルドくん

4/5(日)
最終日、一番寒い朝だった。

まっしろ

前日まではTierra Mediaに行こうと言っていたのだけど、遠いということで、
近場のLa Mezquitaに行先変更になった。
エドゥたちが朝食を買いに村に行っている間、ヘラルドくんとしばらくサッカーをした。

新しいマットを買ってもらってご機嫌のサリー


La MezquitaはCabrerizoの駐車場からちょっと村の方へ下ったところにある小さめのセクター。
途中ハチの巣箱がたくさんある私有地を横切るので、アプローチは注意が必要。
ここにはIndian Secret Garden(8b)とかCamino Exceso(8a)があるのだけど、
とりあえずCamino Excesoのあるケイヴ周辺で登ることに。
アップに易しい課題を少し登って、Flor de Loto(7b+)をやってみたら結構悪かった。
ニーバーとかキョンの連続とか、なかなかテクニカルでいい課題。
Flor de Lotoのアンドレス

次に見るからに人気がありそうなEspíritu del Vino(7a)にみんなでトライ。
 スタンスはいいけど手がどれも絶妙に悪い。ホールドは多いのでシークエンスは複数ありそう。
おそらく一番見た目どおりなムーヴで一撃。
フェリックスだけ登って、それから皆早々に引き揚げて行った。
どうやら最終日でそれぞれ早めに帰るらしい。
僕らは最後まで残ってケイヴの前でチーズをつまんで、
それから駐車場に戻った。

全員かなり日に焼けました

駐車場に戻ってからすぐに帰り支度かと思ったら、あまった食料がどんどん出てきてランチライム。
うっかりビールを飲んでしまったのであきらめたけど、
そうと分かっていたら近くにあるCabrerizoにでも短時間登りにいけばよかった。
まぁいいか、スペインを離れるまでにもう一度くらいはなんとかして来よう。

最後に、村の境のところで記念撮影。
またねアルバラシン

帰りのドライブはまたパブロと二人。
パブロは他所の国へ登りに行ったことがないらしく、
「ブローに行きたい」「ロックランズにも行きたい」としきりに言う。
彼はハイボール好きなので、ビショップも薦めておいた。
音楽を聴こうとカーラジオをひたすらいじってみたけど、
拾うのはサッカー中継かクラシックか、ジャズの番組だけ。
仕方がないのでずっとオサレなジャズを流しておいた。


2015年4月7日火曜日

Albarracin 3 そのⅢ

4/2(木)
朝起きて、霜のおりたシュラフを干して、「さて今日はどうするか」なんて考えていたら、
起きたエドゥとロザンナがまた村に買い物に行ってしまったので、
パブロと二人で待ちぼうけ。
なにやら肘の痛い兄貴は今日は登らずBBQでもしようと考えているらしかった。
1時間かそこらで戻ってくるかなと思っていたけど、
パブロが「暇だから散歩にでも行こう」と言い出したので、これはなかなか戻ってこない雰囲気。
それならということで、割と遠いTierra Mediaというセクターを見に行ってみた。

展望台のところから階段を下って谷底まで降り、
Albarracinの村から続いているトレイルを横切って反対側の斜面を上がる。
これがとにかく急坂で、僕はいいけどパブロは行き絶え絶え。
登り切ったら「もうタバコ吸わんぞ」と一言。
Gitanic 7c+

Tierra MediaはArrastraderoとかとは違ってガビガビして痛そうなカチが多かった。
面白そうな課題、カッコいい課題はそれなりにあったけど、全体的に指にきそう。
これは、来るなら指皮があるときか、いっそ全然ないときにエンクラだな、ということで帰った。

駐車場に戻ってからも彼らが戻ってくる様子がないので、
念のためということでマットやらなにやら一式もって、公園のBBQ小屋の辺りへ。
ここで結局2時間近く待ったけど、来ないので、「さすがに戻るか」とCabrerizoに戻った。
すると、エドゥたちは既に帰ってきていてランチの準備をしていた。なんとまぁ。
この一連のぐだぐだですっかりやる気がなくなったので、この日は予想外のレストになった。
スペイン語が出来ないので、今後の予定を話し合っているところに参加できないのもあるけど、
皆さんとにかくのんびりで気まぐれ、エンクラを好むので、若干いらいら。
「自分のペースをちゃんと持っていた方がいいよ」と大先生に教わったのを思い出した。

ということで再びBBQ小屋に取って返して、適当に薪を集めて、肉を焼いた。

ワンでもウーでもなく、ただじっと見ているこの瞳には勝てない

沢山買ってきた割には、皆さん小食。ということで、例によって沢山いただきました。
食べた後は、スラックラインを張って遊んだ。


僕はスラックラインは苦手なので、腹がこなれるまで遊んだあとは専らカメラを構えてました。

夜にバルセロナからエドゥの友人のアントゥ御一行がやってきた。
なにやらカタルーニャ地方の世相の話かなにかをしていたけど、
当然ほとんど分からないので早めに就寝させてもらった。


4/3(金)
あっという間に残り三日。
前日思いがけずレストになってしまって、2日登って1日休むサイクルが崩れたので、
ここからは3連登することになった。
前日登れなかった分の鬱憤があったので、
その分を取り返すべく朝食前にParkingへ登りに行くことに。
コーヒーを飲んだら、パブロも「俺も見に行く」とついてきた。

ラジオ体操は省略して肩のストレッチと体幹のアップだけやって、
6台の簡単な課題を数本登ってアップ終了。
入り口辺りにある、ぶつぶつ出っ張ったぺブルを持つ課題がやたらと悪かった。

アップの仕上げに7台を触っている余裕はなさそうなので、
早々に目的のZarzamora(7c+)へ。
これは以前から一撃を狙えそうだと思っていた課題だった。
被ったカンテを左手スローパー、右手はカチで登る分かりやすい課題。
ホールドをチェックして、イメージして、撮影はパブロにお願いしてトライ。
核心になる中間部のランジがうまい具合に届いて止まり、スタンドの7aに合流。
リップを取ったところで足が切れて危なかったけど、何とか押し切った。

登って降りてきて、カメラを受け取ったらちょうどバッテリーが切れた。危なかった―。
実はフラッシュの自己最高グレード更新です。これは得意系だったらしい。
右に分かれるZarzaparilla(8a+)も気になったけど、そろそろエドゥたちが起きるころだったし、
いい課題を、それもフラッシュ出来て満足したので駐車場に戻った。

朝食を済ませて、いつものように12時ころに出発してこの日はLa Fuenteへ。
最初に行ったのはEl Plus del Autobus(7b)の岩。
体はもういい具合に動いているので、6台を2本登ってからEl Plus del Autobusもフラッシュ。
ガバだらけのルーフから出てきて、抜けが核心。
この核心だけだと6cらしいけど、かなり難しめの6cらしくやっていた人は皆苦戦していた。
6cのパートを頑張るパブロ

続いて行ったのはLa Fuente(7c)。薄被りのフェースを登る実質二手のカチ課題。
これも有名なクラシックらしい。
SDは8aなのだけど、これはスタンドに合流するまでがえげつなさそうなのでやめ。
スタンドは一撃を狙ったものの返されて、
近くにいたスペイン人のお兄さんからアドバイスを貰って3回目で登れた。
このデッドが近いのに悪い

ロザンナがやっていた後ろの壁にある7aも面白そうだったので参戦して登った。
Guillotia 7a
持ちにくいクラックカチから結構遠いガバへのランジ一発。楽しい課題だった。

Arrastraderoに移動。
エドゥとパブロの希望でEmpiene Encantadoへ。
日向はかなり暑かったので、こりゃ無理かということでEl Orejas...はやらなかった。
Empiene Encantadoの方はあまり進まず、同じ岩の左面にあるHappy in Hampi(7a)を登っていた。
これはかなり登りやすかった様子。ロケーションも相まって良さそうな課題だった。

ちょっと移動して、次に行ったのはZombie Nation(8a)。
いろいろな人のビデオで見かける人気課題。初登はCristian Core。
余談だけれど、Cristian CoreはAlbarracinがお気に入りだったようで、
この地に何度も来てハードな課題をたくさん初登しているそうだ。

Zombie Nationはもともと7c+だったのがどこか欠けて8aになったらしい。
課題は実質3手、2手目と3手目はランジ。何とも猛々しい感じの課題。
これもあわよくばと一撃を狙ったものの2手目が止まらず落ちた。
この2手目が一番悪かった。
何度かやると2手目のピンチが止まり、3手目のランジにつなげる所で足が滑った。
3手目は取る先がガバなのでナメていたけど、しっかり距離を出さないと止まらなそうなので、
3手目だけでちょっと練習して解決。
レストを挟んで、1手目で何度か失敗して落ちたけど、
2手目を捕えたトライで3手目も気合で止めて登れた。
これは3手目

あとは他の皆さんの応援。
無名の7a

これも無名の6c

トライを見ながらメモリを節約しようといらないビデオを消していたら、
誤ってZombie Nationの完登動画を消してしまったので、
その後1手目を取った状態から初めて登りなおす羽目になった。
幸い、1回目で成功したからよかったけど、
撮ったあとパブロに「もうカメラ触るなよ!」と言われた。はい、お手数をおかけしました。

この日はこれにて終了。
最初の二日のことを思うと、かなり上出来だった。
年末年始のブローツアー以降やってきたトレーニングが、
ここにきて上手く噛み合った感じがした。
苦手を完全に克服できたわけではないけど、
それまで体重に負けていたところをだんだん誤魔化せるようになってきた気がする。