2015年2月28日土曜日

Zarzalejo 5

先週末、突然カメラの充電器が壊れまして、
アルカラの家電量販店に行ってみたものの残念ながら見つからず。
そもそも充電器を単体で売っているのをほとんど見かけない。
で、結局マドリッドまで出かけてUniversal Battery Chargerとかいう
少々胡散臭い名前の多機能充電器を購入。
これが名前の割にきちんと使えたので、事なきを得ました。

今日は先週の教訓を活かして、一本早い電車で出発。
おかげで今回は問題なくZarzalejoに行けた。
もう二度と時刻表通りの電車には乗らん。
無人だと思ってた駅にも誰か住んでいるらしい

山から吹く風は今日も強く冷たいけど、空は快晴で春の陽気。
もうすぐですよ~

今回はMundo Felizに行ってアップ。
易しいのを登って、前回宿題になってしまったUn Mundo Feliz(7c)へ。
エンジンがかかっていないのか、最初の数トライはやけに息切れがした。
呼吸を整えて、4回目でゲット。
Un Mundo Feliz
夏に核心のホールドが欠けてちょっと悪くなったらしいんだけど、これで7cというとこかなぁ。

Ovniに移動。
岩の下の住人の姿はなかった。どこいったんだろう。
3手目を取るところの足運びをちょっと変えたら思いのほか良さそうなので採用。
課題通しての一番の問題は、2手目で取ったポテトをどれだけ持てるか。
バラすと一番悪いのが2手目なので、これが結構厄介。
ムーヴそのものは結構こなれたけど、どうもうまくミートしない。
なんとかいい所を取れたら親指を回してピンチに変えるという感じ。
これは3手目

3手目以降は繋がったので、実質ワンテン状態。ということでつなげ。
繋げると2手目の狙いとそこからの3手目、4手目がものすごく悪く感じる。
これが4手目

繋げると4手目のデッドが一番の核心になるけど、これはもうほぼ捨身状態。
どうにも左手が持ててないからコントロールできない。
3,4回やってレスト、というサイクルでかなり打ったけど、
4手目まで出せたのは3回だけでした。
最後は1手目もブレブレのグダグダになる始末。
ポテトとはいえ、粒子はそれなりに粗いので痛いものは痛い。
親指の付け根がごりごり削れました。
また次回。

思いのほかヨレヨレで「もういいや」という感じだったけど、
帰りの電車までまだ2時間以上あったので、エンクラのつもりでLa Pradera方面へ。
人工壁みたいな6台を登ったりした。
セルフタイマーの限界

あとは前に派手に猫パンチして敗退したLa Balle y La Bestia(7a+)をやった。
と、今回も1回目から猫パンチ。しかもその後も3回やった。もう血まみれ。
ここからがどうも分からん
後から来た二人組とちょっとセッションしたけど、また今回も登れず。
「Ovniやってたでしょ」と言われたので、
「この課題、Ovniよりムズカシイ」と言ったら笑っていた。
こういうのはムーヴのトリックが解るとするっと登れるんだろうけど、
今のところ最強の7a+候補です。

帰り道、道路わきに馬がいた。
見るからに「なんかくれ」という顔をしてたけど、残念ながら何もなかった。

スペインは2月の終わりで既に7時ころまで明るいので、
これからは夕方狙いにしていった方がいいかも。

2015年2月24日火曜日

El Escorial 6

月曜休みなので昨日は軽めに流して今日しっかり攻めることに。
目当てはもっぱらZarzalejoのOvniとZarzafar。
前回Ovniはムーヴがバラせたので今週は狙ってみるつもりでした。

が、今日も朝からハプニング。
時間通りに駅へ行って乗った電車が、発車時刻を過ぎても動かない。7分遅れで出発。
途中で遅れを取り戻してくれるかという一抹の期待も空しく消える。
それにこちらの電車は乗り換えを待ってくれない。
それだけ遅延が当たり前のことなんだろうか。そんなぁ。
どうやらMassive Attackに続きOvniも、どこかの誰かが僕に登らせたくないらしい。
Avila方面の普通電車はこれを逃すと次はなんと3時過ぎ。
加えて、天気予報では14時以降は雨。前途多難!向かう先は既にどん曇り!
ということで、Zarzalejoは諦めてEl Escorialに行先を変更。
1時間の歩きはきついけど、家を出たからには登らずに帰るなんてできません。

またいつものように駅からひたすら歩いて、今回はLa Puertaへ。
石切り場跡のツルツルの壁でアップしていたら、中高生らしき三人組がやってきて、
Megapuerta(8a)の横のフェースでわいわいやっていた。
マットは持っていたけど、それ以外の出で立ち的にそのへんのやんちゃ坊主という感じ。
どこかでマットの貸し出しでもやっているのかな。
何が面白いのかよくわからんけどやたらゲラゲラ笑う声が聞こえていた。
そのうちどこか別のセクターに行ってしまったけど、まだ遠くから笑い声が聞こえてきた。
まぁ、楽しいならいいけど。

こっちはアップの終わりにEl Filo(6c)を2回リピートして、
本題のEl Monstruo de las Regletas(8b)にトライ開始。
知っているところでは3つくらいシークエンスがあって、
発破の跡のスロットに右手を出すか左手を出すか、それともカンテにランジか。
スロットに左手というのが主流みたいだけど、かなり悪い。
前回よりも距離は出てスロットにタッチは出来るけど、止まる気配なし。
で、すぐに前回一番感触が良かった右手出しに切り替え。
態勢はそう悪くないけど、如何せん傾斜が強いのと、
その割に右足のスタンスが悪い。めちゃくちゃ滑る。
こんなムーヴ

どうも初登のKlem Loskotはこのムーヴらしい。ちょっと光栄。
左足を下のカンテにフックして体を止めるつもりでいるのだけど、
右手を取るのと同じタイミングで掛けるので、なんだか変な瞬間芸になる。
止まっているように見えるけど

3時間くらい一人黙々と打ち続たけど、結局止まらず。
一応スロットに指が入って少しだけ体重も乗るようにはなってきた。
スタートのエッジが大きいくせに角が当たって痛く、
小指の第一関節あたりに穴が開いた。
それと瞬間芸フックを繰り返し過ぎて左の靴紐が切れた。
ブローで替えたばっかりなんだけど。

小雨が降って、止んで、風で乾いてを繰り返している中で、
El Filoで記念撮影したりした。
セルフタイマーの限界

雨もいよいよ強くなりそうだし、帰るか―と思っているとちょっと晴れ間が見えたので、
最後に別のセクターのLa Ballena(8a)をやりに行ってみた。
見るからに痛そうなガチャガチャしたカチで真っ向勝負する課題らしい。
SDは8bだか8b+なんだそうな。
今回はスタンドをやってみたけど、離陸でやっとだった。
小雨が降ってたし、コンディションの問題?それにしても悪かった。
Massive Attackはスタンスがいいので結構誤魔化せたけど、これはもう完全に保持力。
まぁ、また今度くるか。

雨に降られながら歩いていたら、おもむろに雲が切れて虹が。
でも、それを見て「わー綺麗、これだけでも来てよかった」
となるほど僕は単純ではないのだ。

El Monstruoの感触はちょっと良くなったけど、
来週末はZarzalejoに行きたいな。
早くしないと暑くなる。

2015年2月23日月曜日

La Pedriza 5

一日のどこかでちょろっと雨が降る変な天気が続いております。
もう2月の終わりで、だんだん暖かい日が増えてきたとはいえ、まだ風は冷たい。
でも、聞いた話だと今年は例年より寒いらしい。
La PedrizaのシンボルEl Yelmoの南面でアイスクライミングが出来たのだとか。
真偽は定かではないですが。
で、今日はLa Pedrizaに行ってきました。

エドゥが「10:30ね」というのでその時間に待っていたら、
Boulder Zoneのスタッフのパブロが来た。
パブロの車は4人悠々乗れるのにどうして?
Manzanares el Realの町でスーパーによってから駐車場に行くと、
エドゥは他の人たちと既に着いていた。
「パブロが来て驚いた」と言ったら、
「いやー、だってパブロの車は禁煙だからさ」とのこと。そういうことか。
いつも穴の開いたジーンズで登っているもう一人のパブロと、
ロンドン帰りのビダルと、ジムでよく会う刺青のアンヘル、
アンヘルの一家とジムの常連さんがもう一組いて、いつになく賑やか。
行ったのは全員初めてのDepósitoというセクターで、
駐車場からの道がちょっと分かりにくかったけど、実際は見える所にあった。
午前中は無風快晴で、春の陽気、というかちょっと暑かった。

その辺の易しい課題でアップして、7c以上がまとまっている岩へ。
岩の真ん中に走ったクラックを登るDouble Héliceという課題をまずやる。
スタンドが7aで、SDが7cらしい。
スタンドはえらく簡単、というか若干ラインが違ったみたい。
新品のシャーマンで登るビダル
使い込んだミウラ―で落ちるアンヘル

SDは足がほとんどないので1手目はほとんどキャンパでフィンガージャムを叩き込んで、
その後はクラックに上手く突っ込みながら登る。
どうもホールドがひとつ欠けているらしく、えらく悪かった。ちょっとハマってゲット。
皆がお昼を食べたりスタンドでわいわいやっている間、
右のEl Perdigón(7c)というランジをやったけど、これは出来なかった。
指皮が減ってきたのでドツボにハマる前にやめ。

あとは左のスラブを登るAno Bipolar(6c)で遊んだ。
手よりも上に足を上げたりして結構面白かった。
なんだかわからんけどやたらと笑う男パブロ(真剣)

アンヘルが一抜け

最後にちょっと上にあるSalida de Emergencia(7b)をやりに行った。
SDからカチカチの薄被りを登って、リップへのデッドが核心。
このデッドが結構曲者で、上手く抑えないと左手のガストンが残らない。
一撃目は狙いを外して、その後何回か落とされたけど、無事ゲット。
AlbarracinのRamsteinに形状や内容がよく似ている。グレードも同じだし。
でも、こっちの方が難しい気がする。
保持系と見せかけて結構フィジカル系で面白かった。
エドゥはかなり惜しかった。ビダルも感触良さげ。
「核心っ!」という顔

コミカルな動きで何かを熱弁する兄貴

そんな感じでひとしきり盛り上がって終了。
スペインの人たちはとにかく登る人も見ている人も賑やかなので面白い。
賑やかというか、人が多いともう大騒ぎ。
こちらも負けじと「ベンガ」とか「バモス」とか言うけれど、
まぁ本場の人たちの熱気には敵いません。
興味がある方はLa Pedriza関連のビデオを観てみるとよく分かります。というか笑えます。

もう一つ、スペインのお国柄の話。
岩場に行くと、長ーいパンと生ハムを買ってきてBocadillo(ボカディージョ:スペインのサンドイッチ)をこしらえてむしゃむしゃ食べている人がよくいる。
で、これを誰もが「食え食え」と薦めてくる。「好きなだけ取って」とも言われる。
これに限らず、持ってきた食べ物はどんどん人に薦める。
皆で食べた方がおいしいよね、ということなのかどうかは分からないけど、
とにかくどんどん食べ物を薦められるのです。
薦められたパンを遠慮がちにちょっとちぎると、「もっと!」と言われる。
そういえば遠慮なんていう文化はないのだった。
ということで、最近は遠慮せずどんどんもらっています。
重くならない程度に、だけど。

2015年2月14日土曜日

Zarzalejo 4

昨日は単身Zarzalejoに行った。電車で行くのは3回目。
以前書いた気もするけど、ZarzalejoとEl Rscorialはすぐ近くにあって、
電車でも一駅しか違わないのに、運賃は倍する。
ここはRenfeという会社が運行しているCercanias Madridという鉄道で、
マドリッド市街を中心にした同心円状にエリアが決まっていて、
そのエリアをいくつ跨ぐかで運賃が変わる、というシステム。
で、Cercaniasの圏内は割と良心的な値段(ブローの時よりずっと安い)なのだけど、
その近郊線はEl Escorialが終点。
Zarzalejoはぎりぎりエリアの外。二つの駅の間にボーダーがあるんですね。
Zarzalejoの先はAvilaまで続く中距離列車メインの路線になるので、
普通列車の本数は少ないし、値段も跳ね上がってしまう。
この辺、電車通いのつらいところです。

前置きが長くなりましたが。

前回と違って今回は気温高め、風は弱めでいい感じ。気持ちのいい陽気。
というか午前中は快晴過ぎてちょっと暑かった。
La Praderaでアップしていると、金曜日だというのにどんどん人が来た。なんでだろ。
新しいトレーニングに慣れていないからか筋肉痛がまだ残っていたけど、
アップを適当に終わらせて、今回はまず入り口近くのOvni(8b)へ。
OvniというのはUFOのことらしい

ちょっと不気味な住人がいた

135度くらいのハングを、ぼこぼこ出っ張ったポテトを拾って登る6手の課題。
スタートの左が切れ落ちていて、下手したらそっちに落っこちそうだけど、意外と大丈夫。
マット一枚でやるのにちょうどいい感じ。
1手目から思ったより悪くてビビったけど、1時間くらいで一応全部バラせた。
ホールドは全体的にかかるし、ポテトなので指にも易しめ。
フィジカルなムーヴが連続して、まぁ何から何まで人工壁みたいだ。
2手目

2手目が一番悪く感じたけどやっているうちにこなれてきた。
ムーヴそれぞれはそんなに悪くないのだけど、繋げるとかなり悪い。動きがブレる。
今回はスタートからつなげて3手目が取れなかった。
それぞれを洗練させていけば、ある時ふっと繋がりそう。という気がする。
思ったよりも好印象だったけど、指皮がなくならないうちに切り上げた。
次回は狙ってみるか。

Zarzafarに移動すると、結構にぎわっていた。
どこかのビデオで見たことがあるひょろっとしたお兄さんと、
右の人差し指が欠けたTommy Coldwellみたいな人がZarzafarをやっていたので混ぜてもらう。
Tommyみたいな人がマントルをひょいひょい返しているのにびっくり。
のっぽさんの方はまだ出来ていない様子。
僕も出来ていないので今回もマントルからやると、二人してあれこれ教えてくれた。
慣れないスペイン語でも、岩を前にするとなんとなくわかる。
自分からあれこれ言うのは難しいけど。
教わったムーヴを参考に、前回やったムーヴからちょっと変えてみたら、
何とかリップに左足が上がりそう。上がらなかったけど。
そうこうしているうちに、結晶をつまんでいる右の人差し指に穴が開いた。
Tommyみたいな人は一体どうやって持ってるんだ。
右手がぼろぼろになって感触が悪くなってきたので、上は諦めて下のムーヴをやる。
のっぽさんはマントル以外のムーヴはかなり安定しているみたい。
1手目で足を残すムーヴがあるようなので、それを採用。
ヒールが切れるのであまり成功しないけど、慣れれば良さそう。
で、マッチしてからのランジが今回もさっぱり届かない。
右のヒールが抜ける抜ける。
ここは前回より感触が悪かった。すでに疲れていた模様。
のっぽさんはマントルにつなげる所までは出来ていたので、近々登りそうな様子。
Tommyみたいな人も1手目が苦手なようだけど、こっちも近々登りそう。
最近8台の成果が出て浮かれていた僕の鼻は、伸びかかったところで押し戻されたのでした。

強い人らのパーティーがOvniに移動していったので、一人でもうちょっとZarzafarをやって、
いい加減ぐだぐだになったので最後にMundo Felizに移動。
残りの時間はUn Mundo Feliz(7c)をやってみた。
秋に登った7a+のロウスタートで、7手くらい増える。
下地がかなり斜めでしかも段差があるので怖かったけど、何とかなりそうなのでトライ。
曇った上に風が吹き抜けて寒い。
一撃を狙って、指の悴みでカチが持てず下りた。
その後は指先のテーピングが滑って、体も既にヨレヨレで無駄なトライを連発。
結局、思いがけず宿題になってしまいました。くそー。

帰ってからOvniのことを調べていたら、
あのTommyみたいな人はCuencaの開拓者のLuis Alfonso Felixで、
数日前にOvniを登っていることが分かった。
そりゃ強いわけだ。
のっぽさんの方はIgnacio Muleroというイケイケな若手らしい。Soyuz(8b+)も登ってた。
気さくな人たちだったので、今度会ったらもうちょっと話してみよう。

2015年2月9日月曜日

La Pedriza 4

昨日は午後からLa Pedrizaに行った。
昼過ぎにエドゥが迎えに来て、Torrejonでサラを拾って出発。
行く手の山々が真っ白、La PedrizaのシンボルたるEl Yelmoも半分くらい白かった。
川が増水しているらしく、アプローチで川を渡るエリアはだめらしい。
日曜日で駐車場もハイカーで一杯のようなので、
秋に来た時と同じ裏道からCrossroadsに行くことになった。

が、アプローチは日陰なので当然雪だらけ。ところどころ氷。
急登でそんな感じなので、まるで春山気分です。
道がうろ覚えなので、若干迷いつつ坂を上ってエリアに到着。
他の皆さんはお疲れの様子でしばらく登らずタバコを吸っておられた。
自分がもともとは健脚クライマーなことを忘れていた。すみません。

エリアは日向で風もなく快適なのだけど、やっぱり雪はかなり残っていてやりにくい。
アップで6台の垂壁をいくつか登って、
「7aらしい」と聞いてやってみたフェース課題がえらく悪くてハマった。
兄貴によると、どうやらキースタンスがあった辺りが全部まとめて欠けたらしい。そりゃ変わるわ。
ハイステップとかレイバックとかいろいろやってみたけど、
結局最後は低い足からリップ奥の見えないエッジにランジして登った。
7a+はあるぞと思ってトポを見たら、なんとCrochet del Derechoという6cだった。
そんなぁ。

前回宿題になったTecho de Javiは完全に日陰でアプローチも大変そうなので、
セクターの真ん中辺で今回は完全にエンクラ。
エドゥに「変なランジがあるぞ」と教えてもらって、やってみたら3回目で止まって登れた。
レイバックの体勢から横っ飛び、しかもクロス気味。7aくらいかな。
この右にも7b+のランジがあったのだけど、見落としました。次回やってみよう。

続いて前回ちょっとやってできなかったSanti's Move(7b)。
今回はフリクション最高でやけにあっさり登れた。
でも隣のThe Prawn(7b)より登りにくい気がする。ムーヴが気持ち悪いし。

あとはエドゥがThe Prawnをやるのを応援&撮影。
前回よりかなり進んで、登りそうな感じだった。次は登るでしょう。
The Prawn

エドゥ「結局今日登ったのだとあの6cが一番悪かったよな?」
WADE「うーん、確かに。自信なくすわ」

早く雪が溶けないかなぁ。

2015年2月7日土曜日

El Escorial 5

こちらの天気は不思議なもので、
だいたい1週間の周期で冷え込んだり緩んだりしている。
先週は暖かかったけど、今週は寒いです。

昨日はまた単身El Escorialへ行った。
言わずもがな、Massive Attackをやりに行ったわけです。
が、朝からトラブルが多発。
AlcalaからAtochaへの電車が遅れ、1時間に1本しかないEl Escorial行きを逃す。
どうやらダイヤが全体的に乱れているらしく、駅の中が慌ただしかった。
で、次の電車を電光掲示板を見ながら待っていたのだけど、
一向に「El Escorial」の表示は現れない。
そろそろなんだけどな、とホームに目を移すと、
まさに乗ろうと思っていた電車が出ていくところだった。
同じ駅の中でも見る掲示板によって出る情報が違うのか?そんな馬鹿な。
だんだんいやになってきたけど、とりあえず別の電車でChamartinまで行って、
更に一本後のEl Escorial行きに乗った。

El Escorialに着いた後も、駅の修道院側の入り口が工事中で通れず、仕方なく遠回り。
しかも辺り一面雪景色。道路もびしょびしょ。
積雪がだいたい5~10センチくらいあって、これはやばいかも・・・と思い始める。
どうやら世界は僕にあの課題を登らせたくないらしい。
でも、そんなのは気にしない。
雪の中をざくざく歩いてエリアへ。

案の定エリアは雪の下。
クラックから氷柱
 
岩の上にも雪が載っているので、アップできそうな岩がほとんどない。
下地も雪かびしょびしょかどちらかかので不自由この上ない。
とりあえずMassive Attackの雪下ろしと下地の雪かきをして、
日向の雪があまり載っていない岩で軽くアップ。
課題が簡単すぎるので、適当に限定したりして見たけど、足りない感じ。
あんまり長くやっても意味がなさそうだったので、さっさと終了。

Massive Attackの岩は隣にデカい岩があるせいでずっと日陰。
しかも風が通るので物凄い寒い。
とりあえず上からムーヴを確認。ついでにアップ不足も補う。
フリクションは前回より格段にいいけど、ちょっと寒すぎ。指がすぐ悴む。
確認し終えてから一度日向に逃げて、ちょっとレストしてからつなげ。
トラバース気味なので、マットは核心の下、スタートには脱いだジャケットを敷いた。
雪まみれなのを想定していなかったので、準備が悪いのです。

寒すぎるし指にくるし、ジャケットを敷きっぱなしにもしたくないので、1回目から気合入れてトライ。
1回目はまた1手目で落ちたけど、前回よりはやっぱり感触がいい。
2回目で1手目が止まり、3手目で指が開きかけたけどなんとか抑えた。
もうその時点で指の感覚がほとんどなくて何を握っているのか分からないくらいだったけど、
ギリギリでつなげてリップへのランジも止まった。
あとはフリクション最高のスローパーでマントルして、無事に抜けた。
3手目

最後のランジ

後でビデオを確認したら、カチを握るガリガリという音が入っていた。
自分もカチラーになったなぁ、なんてな。
ディテールとかも一応撮ろうかと思ったけど、また風が吹いてきて寒すぎるので断念。
まぁいいや、登れたんだし。

その後は日向を求めてLa Puertaに移動。
日当たり良好なEl Monstruo de las Regletas(8b)にトライ。
前に登ったEl Filo(6c+)に右のハングの中から合流する課題。
150度くらいのハングにカチが二つあって、そこからカンテに合流するまでの2,3手が核心。
初登はなんとあのKlem Loskot。ここにも来ていたんですね。
後からきたローカルにいろいろ教えてもらいつつトライしたけど、
結局今回は1手目が止まらなかった。
ビデオとかで観て知っているだけで3通りくらいムーブがあるけど、どれも悪い。
この課題はあまり痛くないし、下地もいいので、この先しばらくのいい目標になりそう。
というところで、17時を回って日が沈んでしまったので終了。


正直なところ、Massive Attackはもっと早く登れた課題だったと思うのだけど、
課題の難しさだけでなくいろいろな条件が加わってちょっと時間がかかった。
Control Macheteのトライを含めて4日目でした。
コンディションが悪かったり、指がぼろぼろだったり、雨に降られたり、
挙句登れたこの日も雪だらけで寒かったし。
登れてしまったら、「もっと日を選べよな」と笑いたくもなるけれど、
そう思う一方で、なにがなんでも通うこの熱意がなにより大事だな、とも思う。
いつだったか、エドゥに「明日一人で登りに行ってくる」と連絡したら
「HAHAHA, you are a fanatic」と返事が来た。
そう、そう言われるくらいでちょうどいい。
効率も手際も、いいに越したことはないけど、
思いあぐねるより先に足を動かす暑苦しさを僕は持っていたい。
一本しかないアタリを引くために後先考えず箱をひっくり返すような。
あまりカッコよくはないんですけどね。