2013年7月16日火曜日

雨と風

土曜日は大ザルと二人、プロジェクトをやりにいった。
どうにも空模様が怪しく、駐車場に着いた時も小雨がぱらぱら。
期待はしていなかったけど、とりあえず行くことに。

アプローチはいい加減慣れたせいで1時間40分ほど。
荷物が軽ければ1時間半を切れそう。
天気が悪いものの、連日の晴れで岩は何処も乾いていた。
川の水も少ないくらい。
梅雨が明けてから一気に夏らしくなったような、そうでないような。

今回は二人ともトップロープで練習。
小雨のシャワーを浴びながらユマールしてトップロープを張り、
カッパを着た状態で下からトライ。
雨粒は絶えず飛んでくるけれど、風が吹いているおかげで壁はパリパリ。
カッパを着ていないと寒いくらいだった。
流石弁天岩。
出だしのルーフトラバースが相変わらずしんどい。
落ちることは恐らくないけれど、リードするとなると相当怖いだろうな。
中間部と上部はほぼ固まったので、残るは核心のシークエンス。
直前のレストポイントから10手の1級、という感じ。
何度もやってムーヴは固まってきたけど、なかなか疲れる。

2回目のトライで地面から繋げて核心の終わりまで繋がった。
それだけでもう腕パンパン。というか、ヨレる。
核心最後の1手はギリギリだった。
プロテクションのセットもあることを考えると、まだ厳しい。
ムーヴのグレードだけで5.13ありそう。
いろいろと総合して、13の真ん中くらいになるのかな。

大ザルはプロジェクトの中間部のムーヴを詰めていた。
ホールドが猛烈に痛いらしい。
「ちょっとしかやってないのに、指が真っ赤」と嘆く。
5.10のクラックをこなした後にデリケートなフェースが続いて、ランナウト。
これもなかなか厳しそうです。

まだもう少しかかりそうですが、ムーヴはどうやら固まったし、
どうやら壁の乾きもかなりいいようなのでコンディションの問題はなし。
そろそろ完成が見えてきました。

今年こそは、3年越しの片想いを形にするのだ!
なんてな。

2013年7月9日火曜日

体力勝負の巻 その2

今週も、ジャンボさんと二人で継続クライミングをしてきました。

今週も前夜に瑞牆入り。
道中、獣に沢山出くわしました。
キツネ、タヌキ、イタチ、シカ・・・
そのうちクマやイノシシなんかも出てくるんじゃないかと不安になった。

翌日は先週と打って変わって快晴。
が、日差しがキツ過ぎて中盤からは日干し状態に。
下界では猛暑日だったそうで。

5時ごろに駐車場を出て、まずは1本目。
「ワイルドアットホーム」を途中まで登り、
4P目から「Happiest You」に合流、
4P目の鎌形ハング(5.12a)と5P目の黒いスラブフェース(5.11+?)を登って、
再び「ワイルドアットホーム」に戻るというライン。
「ワイルドハピエストホーム」とでも呼びましょうか。
鎌形ハングは僕がリードさせてもらったものの、
下部でホールドの端が欠けていきなりOSを逃す。
その後核心で2回落ちて抜け、2回目のトライでRP。
ちなみにこの継続のルールとして、二人のどちらかがRPしないと次のピッチに進めません。
続く見た目より悪いスラブフェースはジャンボさんがリードして、
カンマンボロンの頭に抜けた。

すぐに下降して2本目、大面の「フリーウェイ」(5.11b 9P)。
核心となる2P目の11bは僕がリードしてOS。
4P目のオフウィズス(5.10a)は濡れていて怖かったものの落ちずに済んだ。
6P目・7P目は通して登り、8P目(5.10d)はジャンボさん。
このピッチ、「なんじゃこりゃ!?」となる立ちこみから始まり、
結晶が常にポロポロするスラブを這い上がる、かなり悪いピッチだった。
知り合いの強い人も落とされたらしい。
この時には既にカンカン照りで、足も痛くなって、恐ろしかった。
なんとか落ちずに登れてホッとした。

八ヶ岳の方から怪しげな雲が漂い始めた頃、十一面に移動して3本目、アレアレア(5.12b 8P)。
ジャンボさんが「難しいピッチは全部あげるよ」と、
優しさなのかいじめなのか分からないことをおっしゃるので、
お言葉に甘えて1P目からリードさせていただいた。
もうかなり疲労を感じていたけど、1P目(5.11d)は安定してOS。
花崗岩のわりに人工壁っぽくて面白かった。
3P目(5.12a)は核心で2回落ちて抜け、次のトライでギリギリRP。
そろそろ限界を感じ始めた。
4P目の、史上最難の5.7を這い上がって、
5P目が問題のクラック(5.12b)。
何年も前にユースケさんが颯爽と登って行くのを眺めた覚えがある。
大ザルによると「まともに登ってる人はほとんどいない」らしい。
ダメ元でやってみるとやっぱり駄目で、まず離陸からさっぱり。
なんとかそれらしいムーヴを見つけて最初の核心は越えたものの、
既に体が終わっているので当然テン山。
ボロ雑巾のようになってなんとか抜け、
しばらく悩んだけど、ギアをセットした状態でもう一度やった。
なんとかムーヴが繋がって、ギリギリピンクポイントできた。
でもギアをセットしながらだともっと厳しいんだろうな。

時間がなくなったので5P目までで敗退して、下山。
車に戻ったのは7時過ぎだった。

いやー厳しかった。
12台が絡んでくると一気に厳しさが増します。
中盤にフリーウェイを入れることもかなり効きます。
一先ずの理想としては、3本目にアレアレアを持ってきてもしっかり登れるようになることかな。

一日中テーピングを巻いた状態で夏の日差しを浴びていたので、
剥がしてみると手首から先だけ白く見えた。
見事なテーピング焼け。
「クラックを登る者の勲章!」なんて胸を張ればいいのでしょうが、
学校に行くと恥ずかしくて仕方ありませんでしたとさ。

2013年7月2日火曜日

体力勝負の巻

梅雨に入って全く外岩に行っておりませんでした、WADEです。
今回は写真一切なしです。

昨日、月曜日が休みなのを活かして世界のジャンボさんと登ってきました。
最近密かなブームを呼んでいる(?)瑞牆でのマルチ継続登攀。
仮想ビッグウォールみたいなことが出来るということだったので、楽しみして行った。

前泊してチップの駐車場で起きると、天気は小雨。しかも霧。
ジャンボさんがやってきて、「さて、どうする」と相談した結果、とりあえず行くことに。
カンマンボロンに着いて、1本目は「ワイルドアットホーム」(5.11c 6P)。
1P目の11cは濡れて光っている。
「さて、どうする」とまた相談したものの、折角来たので登ることに。
濡れた1P目を僕がリードして、怖かったけどなんとかOS。
その後はひたすらつるべで登る。
上に行くにつれてどんどん壁が乾いてきて快適に。
クラック以外はヌメリもしないくらいのコンディションだった。
登ってみないと分からないこともあるな。

問題なくカンマンボロンの頭に抜けて、大面とのコルから下降。
そのまま大面岩の「左稜線」(5.10b 7P)に繋げる。
出だしのルンゼ状はびしょ濡れだったけれど、中間部のフェースは快適だった。
最後の5.7のチムニーから5.10aのワイドに繋げる所はシケシケでかなり奮闘的でしたが。
というか、あれだけ必死にずり上がったのに、10aか・・・
ワイドって本当に難しい。
大面岩の頭は初めて行ったけれど、広くて平らで気持ち良かった。
天気が良ければ目の前に十一面や小ヤスリが聳えて素晴らしい景色なんだろうけど、
残念ながら濃い霧(いや、雲?)で何も見えませんでした。

大面の裏側をラペルして、十一面を目指すのだけれど、
これが思いのほか近くて驚いた。
大面の頭から20分くらいかな。
見覚えのある壁が突然現れたときは「えぇぇぇ?」と変な声をあげてしまいました。

「山河微笑」はルンゼが登る気も失くすくらいテカテカしていたので、
「ベルジュエール」(5.11b 9P)を登ることに。
これは何年も前に上と下と半分ずつ登って、散々にやられてちょっと苦い思い出があった。
で、久しぶりに取りついてみると非常に快適だった。
当然のごとく1P目はシケシケだったけれど、核心は問題なし。
白クマのコルからの5P目、6P目のチムニーはびしょ濡れ。
ここは服を濡らしながら強引にねじ伏せた。
上部の核心の10aのクラックは少し慎重になったけれど、これも快適に登れた。
あとはラペルを交えながら歩いて取りつきに戻って、下山した。

車に戻って時計を確認すると、なんと5時前。
二人とも思ったよりずっと時間を食っていてびっくり。
このルートだったら、せめてあと2時間は短くしたいところ。
まあ、初めての継続だったし、濡れていたからということで今回はいいことにした。

帰りにDRTで雨の憂さ晴らしに初段を2本登って、
ジャンボさん宅の壁とジャンボJr.を拝みに立ち寄った。
なんと、プライベートウォールで過ごすのがお気に入りで、もうホールドに触っているとのこと。
この環境で育ったらそうなるのか・・・凄い。

初めてマルチの継続をやってみて、いろいろと分かったことがあった。
濡れていても意外に登ることは出来るし、11代までなら結構なんとかなる。
易しい部分は同時登攀で時間を稼ぐというタクティクス。
それと、自分が思っていたより花崗岩のルートが登れるようになっていたこと。
そう言えばここ数年開拓以外で花崗岩のルートはやっていなかった。
11代なら安定して登れるようになったことは嬉しかった。
ワイド、チムニーはまだまだ不安ですが。

また来週も行く予定。楽しみです。