2013年12月17日火曜日

さむさむさむ

先週の金曜日、小DKと遠山川に行った。

朝からいかにも崩れそうな空模様だったので、さっさとアンバマイカの岩へ。
どんよりなので凄く寒いし、そのうち小雪も舞ってきた。
天照が水没してるので、グランアトイ(三段)をやる小DKを見つつアップを兼ねてやる。
・・・どうやって登ったけ?
ムーヴは覚えている方だと思っていたけど、よく分からん。
なんとなく出来そうな感じになったのでアップ終了。
小DKは昨シーズンバラしたはずのムーヴが出来ずに落ち込んでいたけど、
後半のムーヴを作り直したらサクサク繋げて登ってしまいました。
安定感出てきたなー。

紫岩のPをやろうかと思ったけど、降ってきそうなのでツインピークへ。
今回はヒロバテス(三段)。
言わずもがなムーヴを忘れているので、森の人(初段)のパートを登り直す。
下地がかなり下がったのでマット二枚重ねでギリギリスタート出来る感じ。
猩々(二段)のフルスパンの一手を練習して、繋げ。
体が全然動いていなくて、双頭(2級)に合流するところがやたら悪く感じる。
前回はなんてことなかったのになー。
ヒールが全く掛ってない。
時間差ダブルダイノみたいなムーヴでなんとか止まったけど、ヨレすぎて猩々がこなせない。
そのうち雨が降ってきて、岩が濡れ始めたのでラストトライ。
ギリッギリで森の人の核心まで繋がったけど、左足がすぽーんと抜けて落ちた。
残念無念また来週、いや、また来年かな・・・



土日は会の後輩たちと常念岳に行ってきました。
天気が悪くて前常念までも行けなかったけど。
森林限界近くになったらいきなり雪が深くなってびっくり。
ラッセルの感覚は取り戻せたけど、ちょっと物足りない。
でも、今年は冬山にはあまり行けないだろうな。


2013年12月9日月曜日

さむさむ

昨日、サル左衛門と今シーズン最後の瑞牆に行った。

エリア入り口の岩でアップ。
アップ岩と呼ばれているみたいだが、特別名前があるわけでもないらしい。
左右の課題をちょちょっとやって、
悪いと評判の真ん中の初段をやったら、
見た目に反して得意系だったらしく、二回目でゲット。

エリアは谷の中なので寒く、川が凍っていた。

最強Pへ。
ここが異常に寒い。
日もあまり差さないし、谷底から凶悪なそよ風が吹いてくるのでなお寒い。
サル左衛門がアップ不足を感じさせるトライをしていたら、指男さんが来た。
朝イチでDependenceを登ってから来たらしい。凄い。
ホールドが吹っ飛ぶ前にやっておかないとな。また来年だけど。
サル左衛門は指男さんが来てからエンジンがかかったらしく、惜しいトライを連発。
が、このPはスタンドでも相当難しいらしく、結局指に穴が開いて強制終了。
また来春、ということでがっくりしておりました。

サル左衛門の時間が終わったので、ハレに行く。
体重はまだ大台に乗ったままだけど、シーズン最後なのでひたすら跳ぶ。
相変わらずホールドには届くけど、全く振られに入らない。
20回くらい跳んで、それでも感触変わらず。
後で動画を確認したら、左足が遊んでいることが判明。
こいつのせいで体が落ちるのか?
重すぎる下半身のコントロールは相変わらず目下の課題です。

ダレてきたので、命の更新に目標変更。
ハレのところが暖かかったのに対してこっちはまた寒い。
青い日の方から冷気が漂ってくる。
さしあたり、三手目以降をバラすことに。
前回出来なかった四手目があれこれやっているうちに出来て、
お、これはいいゾとその先をやってみたら、
ポケットが恐ろしく痛いことが判明。
中に牙が生えていました。
初登者によると、これには持ち方があるらしい。ふーん。
その後は苦手な二手目の練習。
全体で言うと、この一手が一番悪いらしい。
なんだこの顔
何度も何度もやったら一回だけ止まって、そのまま5手目まで繋がった。
そのトライで指に穴が開いて流血、こちらも強制終了になった。

そう言えば今年の秋はこのエリアにしか来なかったような。
百鬼夜行とか、言葉と物とか、宿題は大量にあったけど、また来春です。

なんというか、歯がゆい。


2013年12月2日月曜日

季節到来

先日、五竜の遠見尾根で合宿をしてきました。
山岳会の、1年生のための冬山入門となるこの合宿。
が、今年は例年にないくらいの降雪で、スキー場を離れると一気に腰までのラッセル。
初めてのラッセルが腰までとは、今年の1年生は恵まれてます(?)
おかげで隊は一向に進まず、初日は小遠見まで。
翌日に大遠見を越えた辺りで平らな場所を見つけて、雪上訓練。
3日目も午前中はビーコン片手に雪の中を転げ回り、下山してきました。
弱層テストやらビーコンでの捜索やら、冬の訓練はやることが一杯です。
個人的に、埋没体験は年に一度はやっておきたい。
雪に埋められたときの恐怖はいつも鮮明に覚えておきたいですから。



今週は1年生を連れて、今シーズン初の遠山川にいってきました。
後輩連れなのでほとんどガイドでしたが。
中・上流の駐車場は、去年までよりちょっと広くなって平らになっていました。
今回は中・上流しか行っていませんが、

中流対岸・・・ほとんど変化なし。滑り台の上流側は水没。
階段・しじみ周辺・・・下地が広くなってました
ツインピーク・・・ひさしぶりに下地が出現。下地が下がったので、「森の人」「双頭」は地上げが必要?
ビーチ・・・緑色の岩が転がって埋まって消滅。あとは無事。
アンバマイカ・・・「月読」「天照」以外は良好。
紫岩・・・下地が広がった。
青蛙・浮島・・・水没
たすき周辺・・・良好
インスタント・・・水没
緑のカンテ・・・水没
ケイブ周辺・・・キラーボーイ下の池が埋まり、今までにないくらい良い下地に。
         ケイブはちょっと下地が崩れて下がりました。
狂骨・・・見に行ってませんが、登れるようです。

今年はこんな感じ。
下流は水の影響を受けにくいので恐らく大丈夫でしょう。

中流対岸で優しい課題をリピートして、
アンバマイカ周辺に移動したけれど、「天照」以外にやる課題がないのでスルー。
紫岩で後輩たちを登られている間、トラバースのPをやる。
「紫キャベツ」から中央の5級に繋げる課題で、限定臭いけど悪い。
1時間くらいやってムーヴがやっとバラせたものの、繋げると核心の寄せランジで落ちる落ちる。
リーチ系なので、肩がヨレる。
爪が割れて痛いので、今回はやめておいた。
二段くらいなのかな?

日が傾いて、たすき周辺でちょっと昼寝した後、一人でツインピークへ。
「ヒロバテス」(三段)をやりたけったけど、マットがないのでとりあえず「テナガ」(初段)。
1手目が遠くて、ちょっと狙い難い感じ。
これが止まるようになったらすぐに登れた。
下地が下がってどの課題もちょっとやり難くなったけど、
「双頭」はちょっと緊張感が増して面白くなったかも。
次回は「ヒロバテス」だな。


今年は珍しく下地が沢山出ています。
夏の水害でどうなったか心配だったのですが、良い方向に働いたようです。

楽しみだなぁ。




2013年11月18日月曜日

鈍る

最近、体重が越えてはいけないラインを軽く飛び越えてしまったので、
内心穏やかではないです。
それでも食欲は止まらず。どうせならこのまま冬眠しようかしら。

昨日はチーム長野で笠置山へ行った。

天気はまぁ良かったけど、先週の冷え込みに比べるとちょっと暖かかった。
岩もところどころ濡れている。
コンディションはまぁまぁだったけど。

笠置山は宿題とそもそもやってない課題ばかりなので、何を狙うわけでもなく、
トンネル周辺でアップして、小DKと「アホダ」(二段)。
核心の右手カチが常にシケシケなんだけど、なんとか握りこむ感じ。
弱ってる指がとにかく痛かったけど、二人とも登れそうな雰囲気だったので結構頑張る。
頑張る小DK

結果、小DKが核心をピタッと止めてゲット。
早くもヨレた僕は指と肩が痛いとかぶつぶつ言いながらアローン。
少年男子の二人が「ニゲラ」(二段)で挫けるのとか、
いましさんが「カルム」(五段)が繋がりそうになってるのとかを見て、
もうちょっとトライしていたら空模様が怪しくなってきたので他の課題に逃げた。

上の方に移動したら、先に移動したサル左衛門が「エモーション」を登ったらしい。
繋げて一回目だとか。
進化してるんだなぁ。
そう言われれば、ビデオで観た感じ以前と登りが変わった気がする。

きょーやくんが「カンテやりたい」とぼそぼそ言うので、皆で「ムカンテ」(二段)へ。
そう言えばこれも右手がカチだ。考えてなかったー。
そんなに悪くもないのに妙に滑るスタンスに全員ぶるぶる。
きょーやもショーンもスタートでスリップして段差にケツから突っ込むハードプレイっぷり。
でもそんなショーンが一抜け。
きょーやが戦線離脱してカップ麺を啜りはじめたので、
また小DKと二人でチキンレース状態に。
今度は僕が先に抜けて、小DKその次のトライですぐ落とした。

その後は「ゲンタシン」とかをやろうかと思って見に行ってみたけど、
すぐに雨が降ってきて強制終了。
最後にきょーやとショーンがダメ押しで「エキドナ」(初段)をやっていたけど、
これは流石にふたりとも出来なかった模様。

いいシーズンですが、学校の方がいい加減忙しくなってきたので今年は満喫できそうにないです。
とにかく弛みまくったぐうたらボディーをなんとかしなくては。
だって体重××キロですよ・・・って、それは秘密です。

ニゲラに食われるショーン

2013年11月3日日曜日

シーズンイン

先週と今週のことを一気に。

先週末は二日とも山岳会の用事で下界にいなければならなかったので、
月曜日休みを利用して単身瑞牆へ。
駐車場もがらがらで快適~。
一部の人の間で習慣になっているらしいアップ岩でのアップはすっ飛ばして、
エリアに上がって行くとDK氏がいた。
「限られた時間」(三段)をやっていたので右カンテの3級でアップして参戦。
前回、というか1年以上前にやったときに出来なかった1手目は出来たし、
核心になる3手目もバラせたけど、全く繋がる様子はない。
3手目からカンテを取るまでのムーヴも微妙な感じ。
これも厳しいなぁ。
ここは日当たりがいいので、ちょっと暑かった。
お目当てはこれではないので、上に移動。

ワイヤーブラシを忘れたので、新ラインの掃除はほとんど進まず。
仕方がないので次回に回して、さっさと「ハレ」(四段)へ。
二日前までの台風でまだシケシケだった。
染み出しも酷くて滴がポタポタ。マットにでっかいシミができた。
拭いたりティッシュを詰めたりしてとりあえずトライ出来るようにした。
で、久しぶりにやってみると春より高度が落ちておりました。
ランジの感覚を忘れたらしい。
感覚を取り戻すためにひたすら独りで跳びまくったけど、全く届かず。
うーん、ちょっとショック。
2時間くらいやったら指も気持ちもダレてきたので切り上げ。

「テロメア」とか「In Bloom」は一人だと怖いので、下に戻って「雷帝」(二段)をやる。
ヌメるしヒールすると足首が痛いしでちょっと萎えたものの、
いい感じのムーヴが見つかったので繋げてみたら2回目で登れた。

上部がちょっと汚くなっていたけど、問題はなさそう。

最後に少しだけ山形県エリアによって「瑞牆ピョンピョン」(三段)をやってみたけど、
離陸して1手目を出すので精一杯。
というかほとんど浮けない。
ぴょんぴょんしたかったんだけどなぁ。


今日は大ザルと二人で瑞牆。
昨日がOBを交えた総会だったので、若干二日酔い。
駐車場はほぼ満車で、なんだか恐怖すら感じる。

エリアに行くと、三連休だからかいつにも増して賑やかかった。
ネットの波及効果ですかね。
「生命力」(初段)でアップしようとしたら、ムーヴを忘れていてぽろぽろ落ちた。
結構パンプしながらリピート。いい課題だなぁ。
大ザルが昨日初登した「泉」(3級)も登った。高くて面白い。

アップが足りたか微妙だったけど、
つよつよさん、K上さん、ハマケンさんと錚々たる面子に交じって「ハレ」。
先週よりはコンディションがずっと良く、跳んだ感じもまぁまぁ。
何度かやったら少しだけ振られに入った。
でも体が上がってないな。まだまだ止まりそうにないです。
錚々たる皆さま

適当なところで切り上げて、新ラインの掃除。
今回はワイヤーブラシがあるのでどんどん進んで、
ぬかるむ下地を整備して早速トライ。
出だしのムーヴが分かったら一発で登れた。
1級くらいかな。名前は「どろんこハリー」
どろんこハリー

上に戻ってのんびりラーメンを食べた後、「命の更新」(四段)に手を出してみた。
最初のガストンからのデッドがまず悪くて、
その後の右縦カチがとにかく痛い。
それを握って握って左のかなり遠いがちゃがちゃしたカチを取りにいくのだけど、
今度はこれが全然届かない。
最後になんとなくそれっぽいムーヴを見つけて敗退。

指男さん一行がやってきて「生命力」をやり始めたので見ていたら、雨。
本降りになる前に逃げた。
「やだよー」と言いながら上部のスラブに這いつくばる肩魔人さん
こうしてみると高いな


いいシーズンになりましたが、今年のシーズンは忙しくていつもより短いかも。
集中しなきゃ。



2013年10月17日木曜日

続・未開の地

ちょいと時間がたってしまいましたが、先週末のことを。

三連休はショーンと、山岳会の後輩たちを連れて御山谷にリベンジしてきました。
本当なら土曜日から入りたかったのだけど、
天気が悪く山が真っ黒だったので一日停滞した。

日曜日、扇沢に行ってみると心が荒んでしまいそうなくらい混んでいた。
10月の三連休は一年で一番混むんだとか。
嫌なタイミングで来ちゃったなぁ。
前回の倍以上かかった乗り物での移動にかなりげんなりしたけど、
めげずに黒部平から3時間歩いた。

左から ピンクマンえーもー リョースケ 荒川 奥にショーン
前日、北アルプス北部は初冠雪だったそうで、どこもうっすら雪が残っていた。
谷底に着いたのは2時過ぎで、風があって酷く寒かったけど、勿体ないので登ることに。

前回手をつけていない岩から回る。
トッポ(5級) ショーン初登

さよならさんかく(6級) WADE初登

一通り登って、「緑の目」の岩に移動。
緑の目のロウスタートをトライしたけど、全く出来ず。

ショーン on 緑の目(3級)

緑の目裏の課題(7級?) 荒川初登

「遠く遠く」(2級)の棚ガバに雪が乗っていて、スタートのところに水が流れていたけど、
皆気にせずにガンガントライしていた。
「遠く遠く」は新しいシークエンスが見つかって4級にグレードダウン。あらら。
えーもー on 遠く遠く

薄暗くなってきたので、後輩たちを残してショーンと「龍王の玉」 (1級)へ。
さて、グレードはどんなもんかなと思って見ていると、ショーンが5,6回で唸りながら登ったので、
まぁグレードは妥当なのかなという感じがした。

この日はここで暗くなって終了。
スロースタートだったのが惜しいが、まぁいいことにした。


月曜日、起きると天気は快晴。
朝食、撤収をさっさと済ませて、「ひつじ雲」のある辺りで登る。
ショーン on いわし雲(5級)


雨雲(5級)
 どうもこの周辺は5級が多い。
ちなみに前回登ったひつじ雲右の2級の課題はショーンに「ひこうき雲」と命名してもらった。

「龍王の玉」周辺に移動して、また登る。
隣の低い岩に初段くらいのラインができた。名前は「イカロス」かな。
しゃがんでスタートして、フリクションばりばりのリップにバシッと一手。
でも核心はマントルだったような・・・
真ん中の突き出たところを登るのがイカロス

ついでなので、龍王の玉を撮影してもらった

「半分の虹」周辺に移動。
ショーンが「面白そうなの見つけました」と言うのでそちらを見に行く。
いつもは見せない顔をするピンクマン
これはショーンが初登して「泣きくじら」(3級)とした。

荒川 on 半分の虹(5級)
ショーンのプロジェクト 今回は解決できず

最後に、プロジェクトのある上の固まりへ。
前回下地の大穴が埋まらず諦めたラインをどうにかしにかかる
大ザルと二人では動かせなかった石も、5人いればガンガン動く。
結局穴が深すぎて完全には埋まらなかったけど、なんとか登れる下地になった。
ということで、リップの掃除もそこそこに早速トライ。
ちゃっかりOSで初登いただき。
思ったより簡単だったけど、掛りのいいホールドをガシガシ繋いで気持ちがいい。
エリアを代表する課題になった。
「黒部の太陽」グレードは3級かな。
黒部の太陽

もう時間がほとんどなかったけど、前回出来なかった白いルーフのプロジェクトにトライ。
前回より格段にコンディションがいいし、身体も動いて、
2回目で核心の遠いデッドが止まってそのまま登れた。
針ノ木岳をバックに
これも結局、思っていたより易しかった。二段くらいだろう。
名前は「Picture Perfect」にした。これもいい課題だ。

まだまだ回りたい岩があったけど、ここで時間切れ。
下りは2時間半かからなかった。
黒部平からのケーブルカーは17時が最終なので、少なくとも14時までは登れます。

土曜日に行けていればもっと開拓が進んだだろうけど、短時間でも登れたのはよかったし、
「黒部の太陽」「Picture Perfect」は絶対に登りたいラインだったので嬉しかった。
とにかくこのエリアで登ることが楽しくて仕方ない。

これでシーズンオフなのが寂しいけど、また次の夏も来られたらいいな。
魅力的なラインがまだまだあることだし・・・

2013年9月30日月曜日

未開の地

この週末は新天地を求め、大ザルと山に登ってきました。
向かったのは立山連峰の一角、龍王岳。
以前大ザルが航空写真を見ていて発見した場所で、
真夏まで雪渓に覆われてしまうような恐ろしいところらしかった。
昨年は行く機会に恵まれず、今年は満を持して、ということで楽しみにしていた。

土曜日、扇沢からトロリーバスに乗り、黒部ダムを渡って、
ケーブルカーで黒部平まで行く。
交通費が少々高くつくのが難点か。
黒部平からは室堂方面に登山道を歩いて、一ノ越を目指す。
東一ノ越についたところで、目的地が見えた。


遠目に見て、明らかに大きなボルダーがごろごろしているので、二人とも興奮。
休憩もそこそこに、一ノ越小屋方面に3分の2ほど行ったところから登山道を離れ、
足早に谷底へ下って行った。
ボルダーがあるところまで黒部平から丁度3時間らしい。
思いのほか近かった。

岩がまとまっているところを一通り見て回り、
手近な岩から早速開拓を開始。
丁度よくホールドが続いているハングがあったので、早速いただく。
これが記念すべき第1号になった。

イトカワ(3級)

続いてエリアで一番大きな岩へ。
ホールドが大量にあって、何処を登っても大抵易しい。
ここでは4級から1級まで5本初登した。
1級は結構良い課題だったのだけど、写真を取り忘れた。
名前は「竜神の玉」かな。

この日はここで日が暮れて寒くなったので終了。
天気が良いので平らな岩の上で野宿した。
夜中に起きると星が綺麗だった。
その後もう一度起きると、三日月手前くらいの細い月が出ていた。
他の明かりが一切ないので、驚くくらい明るかった。

日曜日、朝食を済ませて早速開拓再開。
ひつじ雲(5級)
左のフェースは いわし雲(5級)

この2本はなかなか楽しかった。
右のフェースにも6級と2級の課題が出来た。

遠く遠く(2級)
核心の1手が遠い

緑の目(3級)
こちらは対照的に狭い
次にこの行った岩は深緑色の模様が綺麗だった。ゼノリス(捕獲岩)かな?

雪渓で水を汲みつつ、上の方の固まりへ。
半分の虹(5級)

これが恐らく今回登った中で一番良いラインだった。
高さがあってそれなりに緊張する。
近くに奥行き5メートルくらいの岩小屋も発見。
このエリアは岩が折り重なっているのでルーフも沢山ある。

最後に行ったのはこの岩。
プロジェクト

真っ白なルーフが印象的。裏にフェースもある。
このラインは2手目が短い時間では解決できず、プロジェクトになった。
多分三段以上ある。
因みに右奥からスタートして繋げると五段ありそう(無責任)

残念ながらここで時間切れ。
帰りのケーブルカーの時間が心配だったので、1時過ぎには出発した。
下りは2時間半で黒部平に着いた。
素晴らしい秋晴れで後立山が遠くまで見えた。

ケーブルカーで黒部湖まで下り、大ザルと別れ、僕は一人で黒部川の谷底へ。
夏合宿の行き帰りに気になった岩が幾つかあったので、それを見に行った。
が、こちらは総じて期待外れで、ボロいか、ホールドがないか、
中州にあって近づけないかという有り様だったので、
無駄にもう一泊して今日の午前中にさっさと帰ってきてしまった。
全部期待通りとは流石にいかないか。

龍王岳のボルダーは個人的にかなりの「当たり」だった。
今回登ったのはエリアにある岩の半分にも満たないし、
トライ出来なかった魅力的なラインもまだ沢山ある。
このエリアの難点は、とにかく下地が悪いことだけど、
それは気合を入れて下地整備をすれば何とかなることが分かった。

今度は出来るだけ大人数で行きたいな。

アプローチは片道3時間で、マットを持っていくとなかなか大変。
標高2300mくらいで涼しいけれど、天気が悪ければ最悪だろう。
シーズンも恐らく9月初めから10月半ばまでとかなり短い。
それでも、澄んだ空気と遮るもののない広い空、
日本であることを忘れてしまいそうなこのロケーションで、
手つかずの岩を開拓することが出来る。
それだけでこのエリアが気に行ってしまったのです、僕は。

また行きます。

2013年9月15日日曜日

秋の陣 その2

11日、この日は弁天に行く予定だったのだが、朝からガスで真っ白。
時には50メートル先もぼやける始末。
仕方がないので昼前まで待機して、カサメリ沢に行くことに。
朝食の時に撮りためた写真をチェックしていた社長が一言、
「似たような顔した奴しか写ってなくて、花がない」
たしかに僕と黒ヒゲさんの写真は多いがとにかく女性陣の写真がない。
そうしたところにちひろさんが知人と一緒に登りにくるよということになり、
手軽に行けるカサメリ沢に即決となった。

僕は福田さん、カメラマンのハギさんと3人で一足先にコロッセオへ。
本日のメインアクターは福田さんで、「ナイトディジィダンス」(5.12c)をやる。
ひたすらガバでトラバースする「トレビの泉」(5.10a)でアップして、
僕はまだ登っていなかった「トップガン」(5.13a)をやることにした。
数年前にムーヴをバラしたところで雨に降られて帰ったきりになっていた。
久しぶりにやったらえらく登り易く、マスターでそのままRP。
ムーヴが得意系だからかな。
ハギさんから「動きが速すぎて上手く撮れなかった」と言われたので、後でもう一度登った。
うーん、今回が初めてだったらOSできてたな。

中学生の時に通ったナイトディジィダンスを初登者が登るのを見ていて、
なんだか不思議と感慨深かった。
ちなみにルート名は「夜の盆踊り」ということらしい。

目的のルートの撮影が終わったので、ぼちぼちコセロックに引き挙げて、
コンディションは最悪だったけど「ギャラクシイ」(5.12a)をOSトライすることにした。
もう明らかにシケシケで、垂壁じわじわみじかしい系なので相性最悪なのだけど、
こんなときでもない限りやることがなさそうだったので。
下部の微妙なハイステップはずるずるしながらもなんとか越え、
黒ヒゲさんに「あそこがね~」と言われた上部の核心でポロっと落ちた。
結晶が立ったところを微妙なホールディングで押さえて登るので、
どうにもこのコンディションでは歯が立たなかった。
何度もハングドッグしてやっても指皮がなくなるだけだったのでエイドで抜けた。
「この条件でよくそこまで行ったよ」とは言われたけど、
いざやってムーヴが出来ないと悔しい。
次に行ったら瞬殺してやる。覚えてろよ。

その夜、夕飯は大量のパスタ。
社長がこの日のために買ってきた、パスタが横倒しで入る大鍋が登場。
が、そもそもお湯が沸かない。
結局幾つかの小鍋に分けて沸かしてから大鍋に入れる作戦で茹でた。
6人で1キロちょっと、僕は勧められるままに300gは軽く食べていた気がする。
食べ過ぎでうーうー言っている僕に、酒が入って一層陽気になった社長と足場さんの矛先が向く。
おそろしやおそろしや。
そのうち本気でお見合いの話かなにかを持ってこられそうで怖い。
僕が食べ過ぎを理由に早めに退場すると、
その後二人の矛先は黒ヒゲさんに向いたらしかった。
黒ヒゲさんごめんなさい。


12日、やっとすっきり晴れたので弁天に行った。
アプローチは割とゆっくり行ったにも関わらず1時間半。
この日は健脚揃いだったので、そりゃそうか。
初めに黒ヒゲさん・長門さんが「グリーンベレー」を登り、
その撮影が終わってから僕が「二十億光年の孤独」を登る番。
流石にアップ無しは無理なので、トップロープでリハーサルさせてもらった。
登ってまだ1カ月しか経っていないのでムーヴは完璧に覚えていたけど。
パンプが抜けるまで待って、いざ本番。
実は核心と同じくらい緊張するルーフ越えをこなし、
レストポイントまでのフェースは一気に繋げた。
あくまで撮影なのでハーケンで一度テンションして、
核心を初登のときと全く同じ緊張感で登って無事終了。
フォローで回収がてらトライしてくれた黒ヒゲさんによると、「5.13bは辛い」らしい。
「核心は阿修羅と同じくらいはあるよ」とも言っていた。
そんなものかな。

トラッドとなると感じ方が微妙なので、なんとも言えないところだけど、
こうして他の人に査定してもらえて嬉しかった。

天気が崩れてきて怪しげだったけど、摩天岩に移動。
長門さんの「不動の拳」(5.12b)の撮影を見物。
実は初めて行ったのだけど、凄いルートだった。
ルーフ自体は意外と短いものの、出口のワイド部分は物凄く威圧的。
多分どう登ってもしんどいんだろうな。
この日はコンディションが悪過ぎて長門さんは登れず。
秋の乾いた涼しい日にやるべきなんだろう。
「キミはオンサイト狙ったら?」と半ば当然のように言われてしまったけど、
そりゃちょっと要求が高すぎやしませんか?
まぁ、来春にでも。


最後に摩天岩上部の壁を見に行って終了。


今回の合宿では、自分にとって思い入れのあるルートへ行くことになった。
「ユグドラシル」「ナイトディジィダンス」「二十億光年の孤独」
内藤さんや福田さんの言葉を借りれば、
「昔の恋人に再会する」のような感じだった(実際のところは知りません)。
何年か前の自分が、そのときそのとき打ち込んでいたルートに足を運んで、
その当時のことを思い出すと妙な気分になる。
懐かしいような、ちょっと切ないような、
多分今と大して変わらない自分を思い出すような、そんな気分。

もしタイムマシンがあったら、僕は何年か前に行ってみたい。
それらのルートに取り組んでいる自分に会って話をしてみたい。
一体何と言うのだろう。


内藤合宿はまだまだ続くようです。
内藤さんはじめ合宿に参加したクライマーの皆さん、今回もお世話になりました。
また次回もよろしくお願いします。

秋の陣 その1

9日から12日で、内藤合宿秋の陣に行ってきました。
今回も内藤社長の呼びかけでコアなクライマーの皆さんが集まりました。

9日、駐車場に8時集合で、この日の目的地は大ヤスリ。
「ユグドラシル」(5.12 2P)の撮影です。
アプローチは2時間、一般道のくせに妙に歩きにくいし景色も見えない。
全員「初日でよかった~」とボヤく始末。
山頂側からひょいっと大テラスに上がって、黒ヒゲさんがボルトラダーを登ってロープを張ってくる。
流石アルパインクライマー、人工登攀も速い。
多分僕がやる半分の時間でしたね。
足場建男カメラマンがユマールして、内藤監督は大テラスの端でスタンバイ。
何しろ登ったのが6年前なので、もうあまり覚えていない。
ということで恐る恐る取りついたら、案の定1P目のカンテは何度かテンションが掛りました。
でも、なんだか登っていて無性に楽しい。
緩傾斜のバランス系が克服出来てきたのだろうな。
黒ヒゲさんがフォローで上がってきて、監督からGoサインが出たところで2P目。
チューブチョックを大穴にガコッと入れたら、
足場さんが「え、そんなもん?怖いねー」と茶々を入れる。
まあ、ここはこれしか入らないので仕方ありません。
初登の時は足で踏んづけて食い込ませたような気がする。
カンテに出るところで一度スリップして落ちた以外は迷いながらも落ちずに抜けた。
核心は足が上手く拾えず、イヤな感じ。
最後のランナウトは、今となってはちょっとやりすぎたかな、という気がした。
とりあえずてっぺんに抜けて満足満足。

その後フォローで上がってきた黒ヒゲさん、長門さん、内藤さんから驚きのコメントが。
「2P目の方が難しいよ」
ななななんですと!?
内藤さんによると、ムーヴは1P目が12bで、2P目が12cらしい。
僕がカンテが下手なだけなのか、それともただムーヴを知っていたからなのか。
いままでほとんど再登がなかったルートだけに、査定されて思わぬ結果が出ました。
でもルートの評価は4つ星をいただいたので、まずはよかった。
初登者として嬉しいですね。

10日、この日はユージさんを迎えてカンマンボロンへ。
このエリアに行くのは初めて。
いや、正確には大ヤスリを開拓する前に一度偵察に来たのだけれど、
下部がボロボロだったので諦めて大ヤスリに狙いを移した、ということがあった。
6年経って、ボロボロは大分マシになったらしい。
ユージさんが左端の12bをアップで登るのを眺め、
今日はメインアクターじゃないし、「岩の殿堂」(5.12c)の前半部の12aで適当にアップすることに。
と、黒ヒゲさんがナチュプロを取り出して一言。
「上まで行けばいいじゃん」
ということでアップ無しで「岩の殿堂」をOSトライすることに。
「体、動くかやー」と心配しながら登っていくと、12aの核心で落ちそうになる。
でもこれがアップ代わりになったのか、レストを挟んでルーフトラバースは問題なく通過。
ルーフを抜けた先の核心でポロっと落ちそうになったのを強引に押さえ、
手の甲を陥没させながらジャミングしてなんとか突破。
前腕がガチガチになるまで頑張って、ギリギリOSできた。
下部が脆く、ホールドを固めてあるのが残念だけど、
中間部から上は岩もしっかりとして、多彩な内容を持ついいルートだった。

「はーやれやれ、落ちなくてよかった」と思っていたら、
ユージさんから「UFOキャッチャーやりなよ!」
内藤さんから「Triplepやりなよ!」
ガメラさんは特に何も言わないけれど、無言のプレッシャーをかける。
最後にはまたユージさんから「この14bやってよ!」
どんどん要求が上がって「あわわわわ」となってしまった。
大御所の皆さんは調子に乗った若者に厳しいのです。
結局まだ再登がないらしいTriplep(5.13d 3P)の1P目(13d)をやる。
結構ホールドがあるように見えて、ほとんどが微妙。
縦ホールドが多く、細かい足を拾って体をあっちにこっちに逃がして登る感じだった。
12cをOSするより遥かに難しく(そりゃそうか)、
各駅停車でなんとか核心その1を越え、核心その2でどハマリ。
暑い上に湿度が高く、シッケシケのぬーめぬめだったので、やたらと悪く感じる。
結局指皮が無くなってきたので深追いせずに敗退。
ぶら下がって撮影と居眠りを繰り返している足場さんに回収をお願いした。

ユージさんはCafesito Neccesito(5.14b)を撮影のために登っていた。
コンディションが悪過ぎて核心はとてもじゃないけどこなせない様子だった。
それでも「あーこんな感じ」と言いながらムーヴをこなす姿は圧巻だった。
これが世界か。
厳しい大御所の皆さま
ところで大御所の皆さまは、このエリアにあるルート名が妙に面白いとおっしゃっておられる。
「LOL」「Triprep」「シロップ」・・・
何がどう面白いかは御想像にお任せします。

つづく

2013年8月23日金曜日

これ如何に

暑い日が続いたと思ったら豪雨になったり。
これ如何に。

18日~20日に会の仲間と唐沢岳幕岩に行ってきました。
前から行ってみたかった岩場だったので期待して行ったのですが・・・


18日朝に松本を出発し、快晴に意気揚々と入山。
七倉から暗いトンネルをいくつもくぐり、高瀬ダムまでは1時間弱。
そこから幕岩がすぐそこに見えます。
が、いざ唐沢に入ったすぐに意気揚々とした雰囲気はどこへやら。
踏み跡はほとんど消え、ひたすら沢登り。

1時間ほど行ったところにあった金時の滝は綺麗だったけれど、
その横を抜けるルンゼは酷く脆く、注意していても足元が崩れていくような地獄。

苔とも泥ともつかぬものでコーティングされたフィックスを必死で掴んで登りました。
金時の滝を越えればその先は幕岩の下まで快適な沢歩き。
しかしワシの滝を越えてすぐのところにある岩小屋への入り口を見逃し、
一度正面壁の直下まで上がってしまいました。あらら。
ついでにルートを観察し、取り付きの目星を付けた所で引き返して岩小屋へ。
通称「大町の宿」。平らで、おいしい水がすぐ脇に出ている。素晴らしい!


アプローチに思ったよりも時間を食ってしまったので、
この日は予定していたルートの取り付きを偵察して回る事にした。
先ず右稜のコルまで上がり、すぐ近くに「大凹角ルート」の取り付きも発見。
大洞穴ハングも道なき道を見に行って、急な草付きにひやひやしながらも偵察完了。
岩小屋に戻って、肉団子を山の様に入れた辛口カレーをこしらえた。

もはやメインが肉団子なのかルーなのかわかりません。


19日は2パーティで「大チムニールート」(A2 Ⅳ+)を登る事に。
WADE・ワンさん、小平さん・タクローのチームで登攀開始。
序盤はプロテクションの乏しい草付きを2ピッチ登り、
3ピッチ目が最初の核心となるエイドのピッチ(A2)。
被った脆い壁をワンさんがアブミで果敢に越える。
「エイドマスター目指してますから」と言う割に、かなり怖そうだった。
それもそのはず、ボルトは古いし岩も脆い。

会の中でも体重が重めのコンビだったので、後ろの小平パーティには
「僕らが乗って大丈夫だったんで問題ないです」と自虐のような励ましをあげた。
そこからの数ピッチはブッシュがあるものの岩の要素が多く、
わりと快適なクライミングが楽しめた。
プロテクションは相変わらず乏しくランナウトで進んでいく。
落ちなければ問題ないのだ!

上部岩壁が見えた所でラインを左に向け、中央カンテを登る。
ここで「畠山ルート」から一旦分かれ、「大チムニールート」の部分に入る。
顕著なコーナークラックを登った後、左にトラバースして大チムニーへ。
体がすっぽり入り、典型的なバックアンドフットで登る爽快な2ピッチ。
プロテクションも適度に取れて、なかなかいいピッチだった。


チムニーを抜けると、あとはひたすらブッシュの中を登る羽目になった。
ラインは恐らく外していないので、大体こんなものなのだろう。
それにしても、既成ルートなのにひたすら藪漕ぎとは、これ如何に。
昔は小さかった木が大きくなってしまったのだろうか。
ルートの終了点も御覧の通り。

藪が深すぎて人が見えません。
ある意味これが日本のクライミングの典型なのかもしれません。

既に時間は暗くなる寸前。
急いで下降点となる右稜の頭を探したものの、踏み跡はほとんどなく、
視界も効かないので1時間ほど探したところで断念。
樹林帯の平らな所を見つけて、ツェルトを広げてビバークした。
木立が濃すぎて星は見られず。残念。


明るくなるとともに起きだして、腹ペコなのを我慢しながら右稜の頭探索を再開。
西壁ルンゼ周辺を中心にあちこち探したものの見つからず。
「最悪、このままトラバースしてC沢を下るか」と言っていたところで、
「いや、絶対にある筈!」ともう一度西壁ルンゼへ。
ルンゼの落ち口近くの視界が開けたところまで下り、地形をよく見るとルンゼの対岸が長く張り出している。
「これだ!」ということでルンゼを慎重に渡り、背の低い藪を下っていくと、ありました。

下降点の直前になってやっとはっきりした踏み跡が表れ、ピンクのテープも付いていた。
ルート図には『踏み跡を辿って容易に達せられる』と書いてあったけれどとんでもなかった。

とりあえずこれで降りられる。
4本あるザイルをフルに使って落石の多い右稜のルート沿いを懸垂下降し、
無事に大町の宿へ帰り着いた。
持ってきたサイダー4リットルを一気に空け、
パスタもガンガン茹でて一瞬で平らげ、しばし休憩。
すると岩小屋すぐ横の沢を人の頭くらいの落石が凄い音を立てながらいくつも転がって行った。
C沢を下ることにならなくて本当によかった。

あとはダムへと下るだけ。
途中で雨が降り出し、金時の滝を高巻く道の入り口が見つからなかったため、
帰りも地獄のボロボロルンゼを通りことに。
50メートルの懸垂下降2回で降りきった。
そのころには雨がぱったり止み、ダムに着くころには一瞬日差しが。
振り返ると、幕岩が照らされて綺麗に見えた。
誘っているようにも、挑発しているようにも、拒絶しているようにも見えた。



今回の山行は自分たちの未熟さを強く感じる結果となった。
当初の予定ではルートを複数本登っておなか一杯、となるはずだったのだが、
正直なところ1本でおなか一杯、というか半分グロッキーになってしまった。
登攀の遅さ、ルーファイの甘さ、体力、精神力など、反省・課題は山積みだ。
自分たちのクライミングに対する自負があった。
それに対して「驕るなよ、若造が!」と幕岩に喝を入れられたような気分。
真摯に受け止めて、次にステップに繋げていきたい。

次に行くのはいつになるかな。
でも「幕岩の中心で愛を叫ぶ」もあることだし、プライベートでいつか行ってみたいな。